たりたの日記
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2002年11月27日(水) 受験生

私がエクソサイズに励み、歌や芝居にストラグルしていることはいくら「がんばっている」と自分に言い聞かせたところで客観的に見ればずいぶんお気軽に自分の人生を楽しんでいることになるのだろう。このことに関しては言い訳ができない。

ところで、私は受験生の母のはず、どうして「何も手が付かない」という状態に陥っていないのだろう。子ども達の高校受験を2回、大学受験を1回経験している。その時のことを振り返ると、いつも頭はそのことに支配され、本人達以上に心配し、とても自分のやりたいことに集中することなどできなかったような気がする。あの胃の痛むような緊張の日々・・・。しかし、最後の(そうであってほしいが)受験を控えている今、その緊張がとんでしまっている。


それは、我が家の受験生が自分で自分の心配をし、自力で準備しているからなのだろう。次男はいわゆるガリ勉タイプではない。こちらの心配をよそに高校3年の夏までバスケットボール一筋だった。目一杯運動して帰ってくるので勉強どころではなく、家では寝るだけという生活を続けた。悩みも勉強や女の子のことではなくもっぱら、バスケットボールのことだった。これほど部活一辺倒の生活をしていて、引退したらどうなるのだろうとその後の生活が予想できないほどだったが、彼はうまい具合にバスケットにかける情熱と努力を勉強の方へ向けたようだ。今までやってこなかった分、勉強がおもしろく新鮮に感じられるようで、傍から見ても、青息吐息の受験生といった感じではなくスポーツ選手がトレーニングに励むような感覚でエネルギーが漲っている。去年の競歩大会では全校で3位に入賞した。根性と持久力は持っているようだから、エネルギーを向けるターゲットは違っても、自分の力を有効に使っていくことはできるのだろう。

彼の通う高校は私服で、彼がムカツク規則がないことも彼にとってはラッキーだった。もし規則でがんじがらめの高校であれば、兄がそうであったように、彼もそこの規則や管理に抵抗することに彼の膨大なエネルギーを消費したに違いない。

今日もすそが破れてびりびりになったカーキ色のズボンをはき、本や参考書で膨れたバックパックをかついで出ていった。学校まで片道40分を自転車で通学している。放課後は自習室で9時まで勉強して帰宅は10時前。
「まだまだ本気出してないからね。12月から力出すんだ。見てて、恐ろしいものがあると思うよ」出かける前に彼が残した言葉にしばし呆然となった。
私はこれから始まるという「恐ろしい」時期にどういう受験生の母をやればいいだろうか。


たりたくみ |MAILHomePage

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