たりたの日記
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夕べの教会での勉強会は主の祈りの最後の部分だった。
「我らを試みに会わせず、悪より救い出したまえ」
ルターは自分に働きかけてくる悪魔の力に敏感になるように、そのことのための祈りを勧めているが、彼自身実際悪魔と激しく闘った人のようだ。自分の背後に悪魔の気配を感じてインク壷を投げつけたという逸話が残っている。
神に近づこうとすればするほど、悪魔はその人間に激しく挑んでくると聞く。 その時、何とか悪魔の力を退けたと思っても次の瞬間、悪魔は別の方向からのアプローチを試みる。様々な顔をして、様々な機会を捉え、私たちをかき回そうとする。
人も他人も生き生きとすばらしい愛の中で祝福されて生きていると、この世界をとても肯定的に感じているそのさ中に、人に対する疑いやネガティブな憤りに捉えられることがある。その人の良い面だと感じていたことが不誠実に感じられたり自分を苦しめることのように考えが回りはじめる。一旦、そのサイクルの中に投げ込まれると非常な速度で落ち込んでいく。生きることが自分の命さえもが疎ましく感じてしまうほどの虚無の中に突き落とされる。あたかも悪魔が幸福な精神の状態に嫉妬して神と人から私を引き離そうとするかのような状況に見舞われる。
あるとき、自分では陥りたくない虚無の中に引きずり込まれるのを感じて、 「悪魔よ私から離れろ、おまえの魂胆を私は知っている」と声に出して叫んだことがあった。自分でもどきりとするような鋭い声と言葉とが私の内から出てきた。 不思議な話だが、その声を発すると同時に掴まれていたものから放たれ、すっと引き上げられるのを感じた。
ダウンしている。否定的な気分に捉えられている。今朝、私はそれを悪魔の挑戦だと受け取った。悪魔はしきりにささやく「人は信じるに足るものではない」「おまえは軽んじられている」「友情なんてまやかし」、、、、。 私は今日、このささやきに耳を貸さない。
「我らを試みに会わせず、悪より救い出したまえ」
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