詩のような 世界

目次


2006年11月23日(木) 手紙



先日

お届けした手紙は

あなたの目に触れなかったようなので

わたしの心の中で焼却しました


そんな灰は幼い頃から降り積もり

季節に関係なく

まるで粉雪のように

この冷たい体に舞い落ちるのでした


天を仰げば

暗闇は永遠に終わらないと

真昼の月がおしえてくれます

どうしようもないのだと、言わんばかりに


わたしは逆らえず

時の線を従順にたどってしまいます

叫びは言葉に変換され

また届かない手紙となって

葬られるのを待つのでしょうか



だいぶ前のことですが

小さな女の子は

小さなポストをのぞき込みました

毎朝、毎夕、欠かさずに


数年ほどそれを繰り返すと

女の子はポストを無表情で見つめ

スカートのポケットから灰を撒き散らしながら

どこかへ走っていってしまいました



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