詩のような 世界

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2003年02月11日(火) 紅に染まれ



深紅の城は
ある少年の住処で
この縮れた世界を統治するのは
ちっぽけな彼なのだった


地下室に閉じ込められた野獣の唸り声に合わせて
彼は詩を吐く


言葉というより
悲鳴
彼は
彼自身が悲鳴


緑色の星 鈍い光
見るからに意地の悪そうな魔女が空を旋回する
かつて彼の母だった女
毎晩、城を警戒している


彼は犬笛を手放せない
吹いても飛んでくる犬などいない
だけど望みは捨てられない
という


紅の詩で街を満たしたい
などとは企んでいない
自分が歌っていることすら
彼は信じられないくらいなのだから


そう
ぎりぎり
彼は
彼という名の宇宙を統治していた


そう
ぎりぎりの詩で


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