新聞のテレビ欄に、このドラマの紹介がありました。 大ヒットした「千の風になって」の歌をテーマとしたドラマの第2弾とのこと。第1弾は見ていませんでした(^^; 今回のも、話のあらすじを読んで、実はやめとこうと思ったのですが。 ついつい・・・見てしまいました。
なぜ「やめとこう」と思ったのか。 このドラマの前半は、戦時中の上野動物園で、猛獣処分の通達のため、猛獣に分類される動物たちを殺さなくてはならなかった飼育員たちのお話とのことでした。 ライオンや虎などに、毒入りの餌を与え、どうしてもそれを食べなかった三頭のゾウは餓死させることになる。
このお話を、子供の頃、何かの漫画で見た記憶がありました。 動物たちが死んでいく様が、けっこうリアルに描かれていて、さらに食べ物を与えられないゾウたちの様子や飼育員の悲痛さも描かれ、当時ものすごいショックを受けたことを、まだ覚えています。 ですから、このお話をドラマで見るなんて、とんでもない、と思ってしまったのですが。
それでも、なぜか見てしまいました。 もうだめですねえ、最初から涙出てしまって(^^; 可愛がっている担当の動物たちを、自分の手で殺さなくてはならない飼育員たちの、身もだえするほどの苦悩が、そして何も知らずに飼育員に寄っていく動物たちが・・・見ていて、本当につらくなってしまいました。 誰が悪いとか、他に方法がとか、そんなことではなく、どうすることもできない悲しみが、画面から伝わってきました。
後半は、戦争が終わって、新たにタイから贈らせてきた子ゾウと、その子ゾウを担当する飼育員の絆に焦点が当てられます。 餓死させられたゾウの一頭と同じ名前をもらった「はな子」。 そのはな子のため、家族との時間よりも、はな子の世話を優先させ、ついに息子に「帰ってこなくていい」とまで言われてしまう飼育員。 それでも、ひたすらはな子のことだけを考え続ける。
それは、先代の花子を死なせなければならなかった、先輩の飼育員の思いを受け継いだせいもあり、飼育員と言う仕事が、どれほど動物と心を通わせなくてはならないかをわかっているからでもあったでしょう。
何かひとつ、とても大切なものを持つと言うことは、もしかしたら他のことを犠牲にすることになるのかもしれない。 けれど、そこまで自分を賭けられる何かがあるのは、どこかうらやましい。 飼育員の死後、その息子は「家族として、いい父親だったとはとても言えないけれど、男としては憧れた」と・・・ そして、息子は父の跡を継ぐように、はな子の飼育員になるのです。 「動物には、人間の都合は通用しない」と言う飼育員の言葉は、そのまま動物への深い愛情と理解を表していると思いました。 同時に、その言葉を全うすることの厳しさも感じました。
それにしても・・・泣きすぎてしまった(^^;
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