DJ SEO's DIARY

2009年11月10日(火) >>さぁて来月は・・・(1)

さぁて、来月のパワープレイは、
第三弾"Last Decade<2000-2009>"ということで、
この10年の流れをグルーバー目線でさらっと振り返ってみよう。

この10年間のロック・シーンは、
大きく分けると05’辺りのアクモンの登場を境にガラっと変わったなぁ。
それから半年もしないウチに、
それまで”音の核”となっていたバンドは、
過去のバンドへと追いやられしまった。

そこで言う過去のバンド、
すなわち、90'sの余韻が続いた
00’s前半の”音の核”となっていたバンドは、
プライマル、ウィーザー、ケミカル、ラプチャー、マリマン
に代表される5タイプの音。
00’s前半のグルーバーの音は大体この辺りから形成されてたと思う。

でも00’s中盤、アクモンの登場〜SNSの発達によってシーンは一変。
ストロークスやフランツやキラーズの蒔いた種がゾクゾクと芽を生やして、
解散したリバは神格化し、クラブでも新世代系のプレイされる割合が
高まってくる。ロックとはノイズでサイケであるべきだった
ギターバンド・シーンの頂点には、
長らくプライマルが君臨していたが、
懐古したカントリー・ガール辺りで影響力を弱め、ひっくり返る。

EMOはパワーポップの流れを汲まないスクリーモやゴスの要素が高まる。
グルーバーではFORMATの奇跡的な1曲でフロアを大いに沸かせるが、
シーンには不遇であった為、結局はジミーの孤軍奮闘状態。

新作を出せば出すほど影響力を失うウィーザーのポジションは、
同時期からコンスタントにクオリティ高い作品を出し続けてきた
FOWに奪われる。

そのFOWを含むUS indie popはメインの流れとは別で、
90sからの流れをマイペースに継承中だが、
00's終盤になって突如異変が現在進行形で発生中。
キーワードとなるのはTropical、Lazy、Disco。

スターギター以降、決定的アンセムが出ないケミカルは、
エレクトロ・クラッシュ時代は善戦してたが、
ジャスティスの登場でひっくり返る。

現在のエレクトロは、パンクと同義として通用する点が大きな違いで、
ケミカルらとは畑違いとも言えるが、
シミアン辺りが橋渡しの役割もしている。

同じくジェラバ以降のアンセムが無いラプチャーも
シーンの期待以上に伸びが無く、
LCDは孤高化し、00’sポスト・パンク自体は、
本当にただのリヴァイヴァルというか、
DJがオリジナルを掘るきっかけになっただけで、
リアルタイムのシーンは、
今ひとつパワーに欠けてしまっていた感は否めない。

だが、!!!だけは独自に進化し、
バトルスらと渡り合えるエクスペリメンタルなライブ・バンドとして、
現在も存在感があるといえる。

00’s前半のラウド・シーンを支えたのはマリマンだろう。
レイジ解散、リンプ崩壊でへヴィ・ロックが終焉してからも、
オフスプなどと共にグルーバーのメインタイムを盛り上げてくれた。
でもそれも、Mobsceneが最後。
NINと共に終焉の日も近いのかも知れない。

そんなこんなで、
00’s中盤でのシーンの変わりようは本当に劇的だった。
勢いのあるバンドが同時に3〜4つ出ただけで、
こうもあっさり変わるのかと。


最近のグルーバーの”音の中心”は、
そのアクモン以降の音をメインに置いて、
ELECTRO/NEW RAVE/DISCO、LAZY/TROPICALな
インディをフォローしながら、
80s〜00s前半までの音を20〜30%取り入れるくらいのバランスで、
一晩を創るように心がけている。
もちろんグルーバーは特集も多いし、あくまでも目安としてだけど。

来月の三部作ラストとなるLast Decade<2000-2009>では、
この10年間をまとめるからには、
'00-'04 '05-'09、が半分半分でプレイできれば、と思っています。

90sの余韻が感じられる00s前半と、
これぞ00sロックといえる、後半に出てきた名曲たち。


それを、まとめて楽しんで頂ければ、と。




おっと、この話、まだ余談があるので、それは明日にでも。



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