DJ SEO's DIARY

2009年11月12日(木) >>さぁて来月は・・・(2)

ここからは余談ということで・・・


今回、この3部作のフライヤーにはグルバとしては珍しく、
ジャンルが記載されているのだが、
それはもちろんその時代に応じてムーブメントが発生し、
その名称がつけられ、そして後にまた変化する。

そんな10年ごとに移り代わるフライヤーのジャンル表記にも
グルーバーとしてのロック・イヴェント30年間を総括しているので、
是非、一度は注目してみて欲しい。


80'sではNEW WAVE/ALTENATIVE、90'sではBRIT POP/ALTERNATIVE、
00'sではWorld Wide Indie Pop&Rockという表記の移り変わりは、
かつてUK/USが中心だったロックも、
今や全世界的に広がっていて、世界のどこからでも凄いバンドが
登場する可能性があることを表している。

CROSSOVER*HR/HM<80's>
→MELO/SKA/EMO*MIXTURE*HEAVY ROCK<90's>
→LOUD ROCK<00's>
という表記も、グルバの視点からではあるが、
シーンの変革を如実に表している。

80'sではメインストリームだったHR/HMは、
90'sオルタナ/グランジの登場でひっくり返るのだが、
元々シーンとしてのパワーがあった
(それだけでビジネスとして機能する)HR/HMは、
専門誌等のサポートを受けて、独自の道を歩みだした。
これは後の90'sHEAVY ROCKにも同じことが言える。

90'sHEAVY ROCKは、00's前半にはメインストリームの音としては、
ほぼ終焉を迎えたが、(音的な)ニーズ自体は高いので、
アンダーグラウンドに独自の道で歩み続けている。
これも専門誌やそれに特化したイヴェントの影響が大きい。

00'sラウド・ロックを牽引したのは、
グリーン・ディやマリマンの他は、スクリーモ勢が奮闘していたが、
90'sからの流れを汲むグルーバーとしては、
あまり取り入れてはいないが、シーンが成熟するにしたがって、
どのバンドもポップ化してきている為、
パラモア(新作なかなか良い)のような橋渡しをするバンドが
今後多く出てくるのかも知れない。


要するにLast Decade<2000-2009>のジャンル表記は、
グルーバーの10年間であるのはもちろんだが、
今のメイン・ストリーム(主軸)にある、
(ポップとしても通用する)ロックを聴く人に向けているから、
かつて枝分かれしていた激しい音が、
Loud Rockの一言でまとめられてしまうのも、必然の結果かも知れない。

ジャンルはある一定以上のパワーがつくと、
専門誌やシーンのサポートを受けて独立してしまうからだ。
同時にその音を好むお客さんは、シーンに囲いこまれる。

その狭いジャンルだけで自分の周りの世界が覆われてしまって、
外のジャンルを知る情報を得にくくなるからだ。
仮に得られたとしても、その世界に属している限り、
優先的に聴くことや、ジャンルに対してフラットな姿勢を保つことは、
非常に困難だろう。


現在のロック・イヴェント・シーンで言うと、
今後はエレクトロがそういった道をたどる可能性が非常に高い。

00's中盤まではロック・イヴェントのメインだった音が、
エレクトロ・イヴェントの台頭により、
「これはロック・イヴェントの音だ」と、
胸を張っていえる状況では無くなっているからだ。

グルーバーは、やはりロック・イヴェントと銘打つ以上、
ロック(インディー)が根底であるべきで。
でも、そこからオール・ジャンル・イヴェントとして、
どこまで外の世界を見せるか。

ジャンルに囚われた聴き方じゃあ、
人生がもったいないことをお客さんに伝えることも、
僕らDJの使命だと、勝手に思っている。


そうやって、自分の周りの音楽ライフの向上を思い続けて10年。

来年2月で遂に10周年を迎えるわけだけど、
12月のLast Decade<2000-2009>は、
カルチャーとしてグルーバーが発信してきたリアルな10年間、
という内容ゆえに、自由なプレイが予想される10周年パーティよりも、
より(音楽カルチャーとして)総決算的なモノになると思います。


それを一挙総括して、グルーバーの新たなる10年へ踏み出しましょう。
是非遊びに来てください。どうぞ宜しく。



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