非日記
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2023年05月10日(水) 元気そうでなにより。

車で出かけたり帰ってくるとき、今までに近所の道路で四、五回見かけたことがある、印象深く、且つどこの誰だか知らないおばあさんがいるんだけど、先日ひさしぶりに見ました。最後に見た時、路上で数人に囲まれていたので、「もしかして具合悪くなって助けられてる?」とひそかに気にしていたので良かったです。

まあ、私は「あれって、大丈夫なんかな?」と気にするだけで、誰か自分以外の人間が何かしている時、しようとしている時、人々に囲まれている時には、基本的に自分は近づかず何もしないダメ人間なんですけど。だって大して役に立たない人間が沢山おったってしょうがないじゃろ?と思います。

昔、病院でコードブルーかかって狭い病室に医師が数十人大集合し(時間帯があかんかった)、病室に入りきれなかった先生たちが廊下にあふれた時とか、見てたら「××オッケーです」「〇〇お願いします」「あー、じゃあ私がカルテ書きましょうか」「はーい、じゃあ私が〇×します」「〇×は××先生おねがいできますかー」みたいな大惨事だったんだけど、あれは各自何をどうすべきかみたなのがちゃんとわかっているだけでなく、さらにちゃんとさくさく相互に意思確認して役割分担とかできてたからよかったわけで、烏合の衆が集まったってねえ?って感じです。いや、世の中の皆様は烏ではないんですけど、私は周りをバタバタ飛び回って「どうしたの?何してるの?何かした方がいいの?」と邪魔になるだけの自覚があります。
銭湯で女性が全裸で倒れた時も、皆が介抱したり声掛けしたり助けを呼ぼうとしているのをしばらく眺めていて、「どうやって?この電話(緊急時用の内線)どうやって使えば?」とわたわたしている人がいるのをちょっと見守ってから、おもむろに「よかったら私、掛けましょうか」と手を出したぐらいです。そしてスタッフが来たら「そこに人が倒れてます。よろしく」と案内してさくさくとさよならしたし。

そういうわけで、車道から通り過ぎざまに見かけたのが最後だったので、久しぶりに見かけて元気そうでよかったです。頑張って生きてらっしゃる。

名前も顔も知らんのに何が印象に残ってるかというと、だって初めて見た時車で通り過ぎざま「え?」「は?」「あれ?」と三度見しましたからね。
だってね、身長が30センチぐらいで足が全く見えず、路上に直接上半身だけ乗っているみたいに見えたの。しかもたまに結構なスピードで水平移動する(ように見えた)。

あれは…もしかすると、テケテケ?
こんな真昼間から?
あれ?
あれ?
皆素通りする。
私にしか見えてないの?

と、ちょっとびっくりしてですね。
たぶん、ちょっと歩く(走る?)と疲れてしゃがんでて、さいさい休みながら移動しているんじゃないか、と思い当たったんだけど。
わかる。
確かにおばあちゃんたち小さくなるよね。足が細〜くなって、長年正座しなれてるおばあちゃんたちは特に「この人類は折り畳み式なの?」みたいに小さくなることは知っていた。でも、歩道でしゃがんでるのを見たのが初めてで、そして衣服の所為でペンギン的に足が全く見えないせいか、ぱっと見、高さ3〜40センチぐらいの、背中が曲がっている所為で正面から見ると殆ど二頭身で、だのにあの健脚なものだから、それが何なのか、何をしているのか、どうしてそうなのか気が付いた時、心から「あの人、すごいわっ!」となった。

私も年をとってもああやって頑張って買いものに出かけるように、もし万が一長生きしても可能なら健康に年をとりたいもの(まあ、うちは結構遺伝的に色々病気になりがちなので、死ななきゃ死なないで大分色々かなり厳しくなると思うけど)。心構え的には、簡単にできていた一つの事をやるために今の何倍も時間と労力がかかるようになっても、自分のできる範囲で生きるという事に誠実に向き合っていきたいと、あの先達を見かけると真面目に思います。
すごいわ、あの人。アスリートみたいなものじゃん。見るたびに感心する。


やぐちまさき |MAIL