非日記
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寝ようと目を閉じていると、カサカサ系の音で意識が急浮上しました。私は基本的に、寝つきが良い方です。しかも疲れている。疲れているのに、安らいで眠りにつけないというのは腹立たしい限り。 寝ている間に敵とランデブーするかと思うと……。 ………。 ……………。 …………………………………。 殺意を新たにします。
これまでも同じように安穏と寝暮らしてきたのだが、先頃バッチリ目撃してしまい、しかも狡知に長けた敵が素早く追うことの不可能な領域に逃走してしまって、完全にとり逃したので、色々くすぶっているんだ。 廃墟同然になった昔の田舎の家ほど「許されん」気分じゃないけど。あそこは、夜中に十畳ぐらいある土間に足を踏み出すと、床を5〜6匹が走りぬけ、空中を4〜5匹、バチバチ音を立てながら飛んでましたからね。目の前に蔵があり、土間の中を小川が流れていた(正しくは排水溝)のも、いけなかったんかもしれない。自然溢れる台所だったんだもの。
それはともかく、先に一匹は殺りましたが、ここ二日争っていたのは別のやつ。つまりここ二週間ほどで、全部で5匹も目撃している。 「もし殺虫剤を焚いて死体が全く出てなかったら、心安らかではあったろうが、殺虫剤として有効なのかどうかは疑っただろう」 と言っていたが、焚いてからの方が目撃率が激しく上昇してるんですけど? 今まではンヶ月に一回も見なかったわよ。なに?敵も追い詰められてるってこと?病気のオッカアやオットオに栄養のあるものを食べさせたいと、危険を承知で町に下りてきた?
たとえば5×30で150匹いると妄想的に仮定したとして、4匹殺害し、1匹取り逃がした結果、未発見の残り145匹が闇に蠢いていようが、私の知ったことではありません。私の敵意は取り逃がした一匹に集中しています。 私は目の前に出てこなければ、それが存在していようが無視していられるんだ。同じ血…は分けてないが、同じ生物。私の領域を侵さない限りは、勝手に平和に暮らせばよろしい。 私だって、この地上からあらゆる害虫を絶滅に追い込みたい情熱に駆られているわけではありません。そういう衝動に駆られることもままありますが、単に嫌いなだけであって、生涯を費やして悔いること無い怒りと憎悪に駆られているわけではありません。そんな熱い確信や信念を抱くような性格なら、誰も苦労しません。
ともかく、よって、ゴキを相手に警察は要りません。これは極々個人的な戦いであり、サツが出る幕ではありません。 私は私が留守にしてる間、私が寝てる間、彼らが生きるために私の居城を家捜しし、本能に従って遺伝子を受け継いでいくべく生の戦いを展開することを許容します。私から逃げることも隠れることも、卑怯とは思いません。 よって私は、私が目ざとく発見した場合、地球より重いはずの生命を新聞紙で叩き潰そうとする事も許容されるべしと思います。
よって私の人類愛は丸めた新聞紙に宿ります。握ると手が汚れるのだ。
そういう感じで、「野郎許さねえ」と意識ならない程度にぐずぐずしていたら、カサカサ音がしたので、飛び起きた次第。
やつだ!来た!
見ると、相変わらず、叩くのに難しい場所をキープしています。何故硬いものを足場に、平べったいところにいないのか。それなら狙いやすく、叩きやすいのに。なかなか地の理を読んでいる。小ざかしいやつ。敵ながら、さすがだ。
私だって好かないものが相手なので及び腰だが、我が身に恐れを与えたものを、黙って見過ごすほど、私は大人ではありません。たとえ殺れなくとも、一矢でも報いなければ、敵と同じ住居で安らかに眠れません。 「暴力的・攻撃的」「口より先に手が出る」の謗りを免れなかった私に、一度聖剣新聞紙を握った以上、躊躇いはありません。 迷ってる暇はありません。迷ったら取り逃がす。
及び腰に一回ぶつ。チョロロと逃げた。まだいる。この裏に! その瞬間、部分的に理性が焼ききれました。とりあえず連続で五六回、徹底的に力いっぱい殴ってみました。 夜中にすごい音が響き渡ります。
………たぶん逃がした。 しかし充足感があります。「今やれるだけの事はやった!」という。怒りを新聞紙に込めましたからね。私はとりあえず何かを殴る蹴るすると「ちょっとスッキリ」するという、倫理道徳に外れた駄目人間であり、根性で人間を殴らないようにして幾年月です。
比べて、ゴッキーすばらしいです。「全力を注いだら殺すかもしれん」などと躊躇ったり、計算しなくて良いのです。殺すつもりで力いっぱい殴って良いのです。 私はゴッキーは嫌いだが、そこが人間と違って憎めない点です。
見ると、ゴッキーの足が落ちていた。 足のみ。本体は行方不明。 足一本を捨てて生き延びるとは、やるな!さすがだ!それでこそ戦いがいがあるというものよ!私も、その勢いで壁や柱を殴ったら自分の腕を折る勢いで殴った思いが報われるというものだ。私の殺意を真剣に受け止めて、命がけで逃げたのね! 良い戦いだった…。
日々ストレスを感じている、私の真実の姿を知るものよ。 わたし、私はおまえが、す、好き(?)だ。次は、必ず殺す!(爽やかな気持ち)二人で地の果てまでも行こう。私のおらん場所で死ぬなよ。逃げて逃げて逃げ延びるが良い。怒りにくるって生き延びるが良い。私はおまえを殺すことを、けして諦めない。 もっかいバ○サン焚いたろうかと思っていたが、おまえに殺虫剤を焚くなど私にはできない。この手で叩き潰す!
なんだか友情に似たものを感じたかのような。
めくるめく素敵な夜でした。 そして足一本遺されたせいで、愛しちゃったのだろうか?「この足があうゴキがあのゴキだ。草の根を分けても探し出せ!」と、シンデレラを追う王子様の気分?
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