非日記
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2004年10月20日(水) 感想を書こうと思って。

犬はすばらしい生き物だ。

猫を見ると、まるで離れたところに住んでいる本妻にばったり会ったような気になる。
あ、アタシは別に浮気しているわけでは…。
そう、これはもはや浮気じゃなくて本気だわよ。いや、しかし猫も好きなんだ。猫も本気で好きなんだよ。そんな言訳で妻が納得するとは思ってないけど!(妻じゃない)いや、妻はわかってくれる(妻じゃない)あれは餌を貰えるなら、相手が誰だって構わないというナイスなやつなんだ。私が構わなくても、あっちにもこっちにもそっちにも媚びという媚びを売りまくって日々遊び暮らしているに決まってるんだ。

それなのに、この胸の罪悪感は一体なんだろう…?たかが犬と猫じゃないの!
だのに私の理性が「おまえは猫を好きだと言っていたのに、あろうことか、犬如きにメロるとは…!?とんでもない浮気者め!」と私を責める。
これが恋の苦しみ…じゃなくて浮気の苦しみか?

某嬢のお宅で猫と戯れた際も、心の罪悪感の為に
「私にはもうおまえを心から愛する資格がないんだ。犬を好きになってしまった!でも、でも私はッ!私は猫がッ!」
と思うと、思わずムギュー!と力いっぱい遊んでしまい、シャー!と攻撃を受けた。何もしていないのに、向こうから寄って来て攻撃をしてくるまでになったのは生まれて初めてだった。いささか傷ついたわ。
人は「そんな程度でメゲてちゃ駄目よ!」と鼻息荒く言ったものだけれども、しかし!でも!あの自分より大きな獲物には戦いを挑まない本能をもつ「猫」がだよ、何もしてないのに、こそこそテーブルの下をにじり寄って来て、床についている私の手をペシ!っと叩いたねんよ?何もしてないのによ?!

やはり罪悪感というものはいただけないんだ。強すぎる罪悪感は心の動揺を誘い、あらた罪を重ねさせるのよね…。


そこで潜水艦ホラーサスペンスの<ビロウ>を見た。
何故そんなにホラーを見たがるのかと言われたが、それは一人で見るには怖いからだ。

電気を消して見ていると、途中でトイレにいきたくなった。私が「ちょっと良いかしら」とビデオを止めると、人様は「どうしたの」と動揺も露に言う。「トイレ休憩をとりたい」と言うと、「実は自分も」と言う。
しかし不親切にも廊下の電気をつけてくれない。「その辺にスイッチがあるでしょ」等と言う。私に勝手の分からぬ真っ暗な中を手探りで進み、電気を点けろと言うのだ。斥侯気分だよ。
しかもマズイ事に、トイレまでの廊下はさりげなく潜水艦内っぽい。関係ないが、T地路の廊下を突き当たりまで進み、右端のドアを開けて先の廊下を進み、真っ暗な庭を右手に左手の襖を開けると、そこに死んだ人の写真(遺影)が欄間の高さにかけてあって、そこからこちらをじっと見下ろしているとか、そういうコトを私は知っていてしまってたりするんだよ。祖父の葬儀の後に、母が誰も居ないのに部屋中に響き渡る低い笑い声を聞いたのはそういう部屋だったなとか、そういう事も知ってしまっているんだよ。
しかも机の上には私が貸した「新耳袋」の文庫本があったりするわけよ。
いやねいやね、いやねいやね。
客人に斥侯をつとめさせるなんて、なんて冷酷なのかしらと思いながら、私にも成人女性としての気骨が少しはありますからね。トイレに行くといったら行くのだ。「お先にどうぞ」と言われたら、「おのれ卑怯な」と思いながらも「否」とは言えないのですよ。<ビロウ>が見たいと言ったのは私ですしね。
「私が心臓発作で帰らぬ人になって戻ってこなかったなら、後に続くものは『出た』とわかるであろう。それが斥侯の務めだ!(違う)私は逃げぬ!」という気持ちになりました。
トイレに行くだけだのに。

そうやって、びくびくと怖がりながら見ていたが、結果としては後味スッキリで、あまり怖くなかった。

ここから<ビロウ>と<ゴーストシップ>のネタバレ。




人は「それで結局、潜水艦で出てたのはなんだったの?」と不信がっていたが、明確に説明ができたらホラーじゃないんじゃないかと思わないでもない。
潜水艦で出てたのは、艦長じゃないんか???
勿論、罪の意識と疑心暗鬼に、脅えるあまりに見た集団幻覚でも良いが、ホラーのホラーたる所以は、どっちでも大して変わらんところだろう。

<ゴーストシップ>のオチをイマイチに感じるのは、きっとそのせいだ。
悪魔が出てくるとホラーでない。悪魔が出てくると、犠牲者を増やしたり、残虐であった理由が明確になるだろう。よくわからないが、そうすると悪魔としては自分の評価が上がるらしいんだ。<ゴーストシップ>でも「自分は仕事をしただけだ」とハッキリ言っている。
つまり営利目的だ。
手段が特殊で、理解はできないとしても、言うなれば火サスの犯人のような者で、「正体のわからぬ、得体の知れない不気味さ」ではないし(正体はわかっている。ああいう事をする為に雇われている労働者なんだ)、「対象は誰でも良い」のであって、怨恨や私怨でもなく、二心の無い点ではクリーンなんだ。
「人間のような形をしているが、あれは人間じゃないからな」という感じがするだろう。その点では、クリーチャーものや、寄生タイプのモンスターの場合もそうなのよ。そんな感じがするわ。


やぐちまさき |MAIL