非日記
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戻ってみると、大家さんはまだ入院中で、隣の部屋には異国の人が!
お隣に新しい方がいらしていると聞き、とりあえず、挨拶をしに行ってみました。 私の目的は「隣に住んでる人間です。敷地内?を深夜にウロチョロしてても、けしてあやしい者ではありませんよ。通報しないでください」という事をアピールし、伝達する事です。 できれば相手の顔を覚え、私が「誰これ?!」とビビらないようにする事です。
コンコンコン
「こんにちはー」 「フリーズ!」
…なんだろう? これは、そこはかとなく聞き覚えがあります。昔、プリーズと聞き間違えた留学中の日本人学生が銃で撃たれて亡くなられてしまい、色々問題になって、ワイドショーでも解説された表現ですね。 プリーズかもしれませんが、わかりません。 が、 要するに、私に待ってろ、止まっていろと言っているもようですよ。 首尾良く、出て来てくださったのは良いものの、私が挨拶をしますと 「アイ キャント アンダスタンド ジャパニーズ」 等とおっしゃられました。
それは私の得意な、一番!得意な英語の例文です(最後をイングリッシュにすれば)。これだけは喋れた方が良いと思った英語ですよ。 つまりどういう事でしょう?
イエイ
なんて事でしょう。相手は「簡単な挨拶も話せません」どころか、「今、あなたが私に挨拶をしているという事すら、イマイチわからないのです」とまで言っているのです。 これが行間を読むというやつですよ。
大家さんは、自分は日本語しかわからないので困ると、日本語が喋れない方は入居をお断りしていたのですが、息子は平気なようです。家賃が激しく安いので、自立心の強く、生活費や水準は軽やかに切りつめる中国からの留学生などに密に人気で、ちょっと募集すると、安さがすぐ目にとまるらしく結構来られるのです。日当たりは悪く、古くてキレイじゃないけど、結構広いし。流しもあるし、バスとトイレだってセパレートですよ。洗濯機だってありますよ。壁は崩れて来てるけど、空調もついてるし、アンテナもついてるもの!
何をやって生計を立てていたのかなど、あらゆる事が謎に包まれている激しく無口なオジサンですが、小耳に挟んだところでは、大家さんの子供達は皆勉強熱心で賢かったようなので、日常英語なんて軽く喋れるのかもしれません。
しかし私は、英語も喋れません。 中学英語も自信をもって忘れました。
さらに、日本語ですら緊張すると喋れません。すなわち、「ハロー」程度の英語さえ出なくなる事があります。今まさにその感じですよ。 大体何について言ってるのかなら、なんとなくわからないでもないですが、こっちからは欠片も出ません。
御隣りさんは言います。
隣「Can you speak English?(ニコ)」←英語 私「いえ、喋れません(ニコ)」←日本語
これぐらい動揺していますよ。
まさか全く喋れないとは思わなかったので、動揺のあまり思わず日本語で応えてしまいました。慌てて、首を横に振ってみました。わかってもらえたようです。 身振り手振りと、全て日本語で、どうやら隣に住んでいる者である事がわかってもらえたようです。 「OH」とか言ってますよ、中国の人なのに。 良いのです。今、脳が異人さんとのコミュニケーションツールである英語モードになっていて、もはや母国語がとっさに出ないのでしょう。私も、日本語モードで来てしまい、相手が全然喋れない理解できない事は予想範疇外だったので、動揺のあまり切り替えできません。
隣「Nice to meet you!」←英語 私「はい。よろしくおねがいします」←日本語
和式で押し切りました。
良い子は「Nice to meet you!(お会いできて光栄です)」と来られたら、喧嘩を売るつもりがないかぎり「Me too!(私もです)」だかなんだかで応えましょうね。
とりあえず、これで隣に私が住んでおり、全く英語が喋れない事は海よりも深く理解してもらえたでしょう。
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