非日記
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2004年10月01日(金) こんな事もありました。

実家には自分の部屋が無いので、電話のある部屋で寝ております。今では昭和初期設定のテレビドラマぐらいでしかお目にかかれなくなった、昔ながらの黒電話です。10コールぐらいで親切に留守番電話に変わったりするハイテク機能は、もちろんありません。根気があれば延々と呼び出す事ができます。煩い。

家人が留守で、いつまでーも煩く鳴り続けていても、私は意地でもとらない事にしています。私は電話がとっても嫌いなうえに、私に用事のある人間がかけてきているわけがないからです。

親父さんに用事があるなら、職場にかければヨロシイ。「昼日中から電話をかけておいて、職場の電話番号を知らんだとう?アヤシイ奴め」と思います。J子さんに用がある場合、私が出さえしなければ、電話をかけたい相手が留守である事がわかります。私は電話を絶対に取らない事で、「現在この家には、電話しようとしている相手はおりません」とダイレクトにお知らせしているつもりです。大体私は通常そこに居ない人なのです。通常居ない人が居たら、皆さんが混乱するでしょう。

家族全員で出掛けていて、戯れに自分らの家に電話したところ、何者か知れない人物が電話に出た場合、「誰?うちで何をしているの?」とビビルじゃないの。
心霊現象ですよ。おうちに帰れなくなってしまいます。夜中の廃病院を探索するのと同じように、やらん方が良い事です。

というような言訳を駆使して、実家では何がなんでも電話に出ない事を了承させています。

ある日、私が法事で疲れきって(ちゅうか習慣で)昼寝をたしなんでいたところ、電話がかかってきました。
私は例によって無視しましたが、幸い電話に出る人間がいました。電話の様子から家人の知人でない事はわかったのですが、そのうち「少々お待ちください」と電話を置き、J子さんが隣室に私を手招きします。三十センチぐらいまで近づかないと全く聞こえない、ものすごーく小さな囁き声モードです。稀にこのモードになるのです。大事な事を言ってるつもりの時と(大事な事を言ってるように思わせたい時)、警戒中などによく出現します。
僅かな身振り手振りと表情、唇の動きを読まなければ、何言ってんのかわかりません。なんですか?

私「もー、なんね?なんの電話ね?眠いがー」
J「警察からよ。県警のホニャララですがって、お姉さんが(注:お姉さん=私のコト)交通事故を起こしたらしくて、保険がどうのって電話なんだが」
私「交通事故?誰が起こしたって?(「交通事故を起こした」というキーワードで少しシリアスになり、ちょっと目が覚めた)」
J「お姉さんが」
私「私が交通事故を起こしたんか?…(考え中・思い出し中)…私はやってないよ。たぶん。やってない、と思う。それはいつの話だって?(「どうも記憶に無いが、ひょっとすると自分では気がつかないうちに事故を起こしていて、実は自分でも知らぬ間に逃亡中の身だったのか?交通事故を起こしたに留まらず、現場から逃亡までしたんか!?あげくにその事を全く思い出せない!私には何処を浚っても、交通事故を起こした事に対する反省のハの字も、後悔のコの字も見つからないわ!罪の意識も無く幸せに暮らしていたなんて、なんて調子の良い人間なの!なんという冷酷な人間なのかしら?!とんでもない私!そんなとんでもない人間も、ついにお縄にかかる日が来たのかもしれないわね…」と、一瞬激しく自分を疑った)」
J「今だが!ついさっきだが!」
私「…ついさっき?(笑/とても目が覚めてきた)」
J「だから、つい先程お姉さんが交通事故を起こして、今警察におるらしいんだが。それで興奮してパニックをおこしてマトモに喋れんようになってるから、交通課のホニャララさんが電話をかけてきたんだが」
私「興奮してマトモに喋れんのは誰ですって?(笑)」
J「お姉さんだが!交通事故を起こしてショックで喋れんようになってるんだが!」
私「今?(笑)」
J「今だが!……ちょっとおかしかろう?」
私「ちょっとじゃなくて、ものすごくおかしいが。私はついさっきも今もここで寝とったろうが。寝起きで寝ぼけてるかもしれないけど、パニックは起こしとらんが。マトモに喋ってるじゃないの?」
J「そうやろう?おかしいが。間違い電話やろうか?でもあんたの名前をちゃんと言ったわよ」
私「間違いじゃなくて、詐欺だろう。保険が云々言ってるんでしょ?警察が金の話なんかで電話してくるもんね。そりゃ事故の調査がすっかり終わって調書を作成して事故処理やら裁判やらが全部終わってからで、警察とは全然関係ない話だが」
J「県警の交通課のホニャララですって、きちんと名乗ったわよ?」
私「どこの県警ね?」
J「知らん。だけど県警のって言ったわよ」
私「県警は県の数だけあるから、必ずそこから名乗らにゃわからんだろうが!ちゃんと!普通まず事故の状況を説明して「とりあえず来てくれ」じゃないの?」
J「そうやろか?」
私「いや知らんけど。火サスでは、そうじゃなかった?」
J「でもすごく本物の警察みたいなのよ。本物じゃないの?」
私「本物らしく思えるのが、あたりまえじゃないの!人を騙そうっていうのよ?いかにも偽物だったら全然駄目じゃないの。騙そうとしてるんだから、一生懸命勉強して、ちゃんと練習してきとるんだがッ!大体あんたは目の前にゴロゴロ寝てた私と、電話の向こうの私と、どっちを信じるつもりね?」
J「すごく本物っぽいのに!?上手ねえ!」


↑そんな事を言ってる間に、電話は切れていました。
私はちょっと残念に思いました。もし私がいつも電話をちゃんととる人間なら、ひょっとするとそのパニックを起こしている私とお話しができたかもしれないのに。
私は階段から落ちた時とか、そういう短時間パニックは多いのですが、長時間パニックを起こし続けた事が無く、黙り込む事はあってもパニックを起こした状態のままで話をしようとした事がないので、今後の参考に、どんな感じなのかちょっと聞いておいてみたかったのです。

最近某県の方では色々流行中らしいです。電話やら架空請求やら色々かかってるらしい。
気をつけないとね。


やぐちまさき |MAIL