非日記
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2003年09月14日(日) 胸が痒い。

また見てる。ハニー。アホだ。私が。
こう何回か見てると、ありえない方向から風が吹いている事に気付いたりするが、それはともかく。


私は絶対に、以前、コレを見た事がある。
ずっと前だ。賭けても良いが、日曜の夕方に、テレビで、だったはずだ。
外は晴れていた。賭けても良い。
私はこのリシュリューとロシュフォールを知っている。以前に、こやつを見た。
先頃、最初にビデオを回し始めた時、私は既にコレを見た事があると思ったんだ。リシュリューとロシュフォールを。
…が、その後、それどころじゃなくなった。
まるで初めて見たような気がした。

だがこのリシュリューとロシュフォールだけは以前に知っている。
何故じゃろう?
…昔愛した男…とかか?

そんな事がありうる?
いや、ありえなくはない。私は子供のころ嫌いだった豚汁が十三ぐらいから急に大好きになったような女だ。男の好みが年代とともに移り変わっているという事も、無論大いにありうる。あー。でも、嫌いなものは努力無しに執念深く覚えていても、人にバレなきゃ好きじゃない振りを続けた挙げ句、そのまま記憶からも抹消する等という人生を不愉快にする才能に満ち溢れた悪癖もあるから難しいのよな。

単純に、赤いのと黒いのだったからかもしれない。ああ、それも凄くありうる。
後、ひょっとすると、最初しか見てないとか。ああ、それもありうるな。
ワンシーンだけ見て、「それだけ覚えてる、後は知らない」とかよくある。

人の話を聞いて直ぐわかったポセイドンアドベンチャーなんかもそう。
「おじいちゃんとおばあちゃんが泳いでて」で、ポセイドンアドベンチャーだとわかったのは、まさしくその場面しか知らんかったからだ。検索の必要すらない。
だが戦国自衛隊が極致だろう。
ワンシーンだけ、四回も見てる。目に矢が刺さるところ。
あの映画は面白いのだろうが、私は好かん。いつも目に矢が刺さる。
私が部屋から出たら、目に矢が刺さる。私がトイレに行こうとして居間を横切ろうと通りかかったら、目に矢が刺さる。出先から帰って来てドアを開けたら、目に矢が刺さる。
何があろうと断じて見ないぞという固い覚悟で顔を背けていて、チラっと見たら、その瞬間に目に矢が刺さった。
四度目には遂に呆然と、その後、刺さった矢を自ら眼球ごと引き抜く事を知った次第。
縁が無いんだ。ありすぎるのかもしれないが。
誰だって目に矢が刺さる場面だけを四回も見た日には、どんな好奇心に溢れる人間もついには「私はこの映画が好かん。もう充分だ」と思うだろうよ。


やぐちまさき |MAIL