非日記
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先月は結構飲み会なんかに行ってた。私、飲み会は割りと好きなんだよ。ただいつも途中で抜けて帰るだけで。 「酔うと無口になりますね」と言われたが、それは口を開けると吐きそうだから相づちを打つだけで精一杯な状態だ。…ちゅうか、いつもそんな喋ってるんか私は?職場が違って休憩中も居ないような人間が、芯からオシャベリだと何故知っている。影で「よう喋る」と噂になってるんか。 でも、普通にしてても喋らん時は喋らんわよ…と思うんだが。今は昔より良くなって、割りとコンスタントに喋るようになってるはずだ。話掛けられたら、大体ちゃんとそっち向いてるだろう……と、思うんだけど。 鋭意努力している。努力すりゃそれで良いってもんでもないが。
ともかく、 出納帳に寄ればギリギリで回していたので、今月はなるべく絞めて行こうと思っていた。んが、月の初めだというのに、いきなり無駄使いしてしまったよ。 どうしよう。
せっかく近くに来たので、モネと印象派を見に行ってきたのだ。 何がいけないのかと言うと、つい目録を買ってしまうところだ。だって画集より安いし、でかいし、解説付だし。あげくに絵葉書まで買ってしまった。 いや、これを「こういう絵が向いてるんじゃ?」とJ子に出そうと思って入念に選んだのだ。輪郭も色彩もカッチリしてて緻密で細密で写実的なボタニカルアートみたいなんじゃなくて、ぱっと見て目に留まった印象をドカっと、御祭りでやってる飴のつかみ取りみたいな奴。 でも油彩は画材も高いし、場所も(汚れるから)とるし、時間も(乾くのに)とるし、匂いもスゴイし、筆は削れるし(それは関係ない)、カンバスも…流石に自分で張ったりはせんだろうが、ちょっと気安くはやり難いかもしれないな。でも筆跡も残るし何度も重ねられ、重くも軽くも描けて良いんじゃないかなと思うんだが。筆が重たいから好かんかな。
観覧料もいつもより高かった。 でも私の好きな絵が来ていたよ! クールベの「波」だ。初めて生で見た。高校の美術の教科書に載ってて気に入っていたんだ。もともとモネやシャガールなんかより、ちょっと暗い(というか落ち着いた)色彩の、重い絵が好きだったんだ。 構図もかっちりしてて、計算されてるカンジの。写真みたいなのが好きだった。 でも私、ああいう色が沢山あって良いなと思うだよ。 「しだれ柳」とか「バラ園からみた芸術家の家」とか良かった。奥行きがあって。 それに、紙にエンピツで描いた諷刺漫画みたいな絵があった。こういうのも描いてたんだな。私はモネと言えば「睡蓮」ぐらいしか知らんよ。しかも名前が似てるのでマネと合体してごっちゃになってる。モスと覚えれば良いわけか。
モネの絵は、眩しいんだな。それは私でもわかったよ。 華やかで眩しい。 しかしさすがモネ。 「何が描いてあるのか、さっぱりわからんよ。なんじゃこりゃ」と笑って眺めてるうちに数時間経っていた。おそるべし、美術館。だから美術館や博物館に行く時には、一日無駄に過ごすぞ!という心構えが居るのだ。
そういえば、スーラの、一枚あったけど、点々絵は来てなかった。ちょっと残念。 高校の体育教師が好きだったのだ。私は出会って一ヶ月以内には往復ビンタを食らい、喘息持ちが過呼吸を起こして吸うなというのに吸った時には怒って「なら勝手に苦しめ」と放り出し、生理痛でもマラソンをさせ、体操服や体操靴を忘れた日には制服と裸足で体育をさせ(借りたら貸した人間も怒られる)、他の教師にも恐れられ、校長も手を出せない乱暴者のお局様だったのだが、でもボールペンを二本くれた良い人(笑) 実は、彼女が好きな絵はスーラだったのだ。 体育教師の控え室に行った際壁にあり、ハンコもらう間暇だったので「何かしらこれは?」と眺めてたら、自分はスーラが一番好きだと言われ、技法の解説までしてくれたのだ。ちょっとびっくり。私はゴーギャンあたりか、キュービズムとかフォービズムなんかかと勝手に思ってたよ(イメージ的に) だって美術の教科書にだって、印象派と言えばモネとマネ程度しか載ってないのに、後期分裂後の新印象派の画家なんてもってくるとは思わないだろう。しかも人を蹴るわ殴るわ乱暴な独身中年女性が。見くびっていたわ。とても失礼したわね。 理由は不明だが、ボールペンくれたしな。
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