非日記
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「はやく映画見てきなよーアハハ!」 せかすな。心の準備つうか、タイミングと気合が必要なんだ。テコの原理が。 私も、いよいよ腰をあげる気になりました。大体、前売券は買ってあるんだよ? つまり、 「最後の手段となったら、自らがケチである事を理由に自身と交渉し、劇場まで引き摺っていってみせる。こうとなれば、いざとなったら、最後の三十分だけでも良い、てゆうか映画館の椅子に一瞬座るだけでも良いという本末転倒をおこしてでも劇場へ行こうとするはずだ」 という、 このンヶ月、自分の性格を計算し尽くして手はずを整えた意気込みを見ろよ。しかも私は見に行きたいのだ。券を買ってしまったからには、どうにかしてそれを使おうとする自分に逆らう謂れはない。「どうぞ、どんどん行ってくれたまえ。絶賛応援中」ってもんだ。 ただ、ちょっぴりケツが重くてな! ノン、ダーリン、私の愛を疑うなよ。疑われたら消え失せるではないか。 しかし…
朝、寝坊する。 「いや、まだ間に合う。さあ行くぞ!」
ハンドルに手をかけた時点で、自転車がパンクしているのを発見する。 「…次の上映時間には充分時間がある。なにしろ三時間だ」
小雨が降り始めました。曇天を見上げ 「この程度ならなんとか…」
時間つぶしに図書館を覗く私。エンデの「はてしない物語」の背表紙を見て 「…メガネをかけてないから良く見えないな。この背表紙は随分くすんでるがアレだろう。みひゃえる・エンデの、例の…ハ、は、「はしたない物語」?」
おお、マイブラザー。興を殺がれたよ。 私の此度の意気込みも、これにてジ・エンドです。 こうなってしまっては、もはや自分をどうする事もできません。テコで動かそうとしたのに、テコのネジが飛んでしまいましたよ。
「神が…「今日は行くな」と言っておられる(確信)エイメン」
ワタクシには聞こえたのです。ジャンヌ・ダルク気分だよ。 大丈夫、まだ蜘蛛の糸は切れてはいない。チケットがあるからな。時間もあるし。 しかしこの調子だと不安だ。がんばらなきゃ。
公開が終了してしまい、薄く笑いながら、無駄になった前売券を破り捨てつつ
「畜生、馬鹿なオンナだよ」
等と惨めに心で吐き捨て、ゴミバコの縁に手をかけて自ら破り捨てたチケットの残骸を薮睨み状態で凝視し、内戦状態を必死にブルブル堪えているタワケなぞを発見したくないもんだよ、全く。 それもこれも映画見に行きさえすれば起こらない問題だ。てゆうか、チケット買いさえしなければ、起こらないだろう問題なんだが。もうやっちまってるんだよ。 しょうがないだろう。 私には既に次の予定日もある。毎度ずれ込んでるがな。しかし次こそは見に行くよ。もう絶対行く。今度こそ。行くってばよ。入り口まで行って引き返したりしない。立ってでも見るって。わかってるよ。うるさいぞ。
ああ、うるさいねん。信念をもってるらしい哲学者がな。私はもってないってのに、態態ちょっかい出してくるのよ。薄っぺらい理性ってのは、大人げ無いやっちゃ。
「目指すはただひとつ!信玄が首ッ!」の爽やかな「天と地と」でも見たい。 「逆らう者は切れ!責任はすべて、この長谷川平蔵がとる!」でも良いよ?(笑) あの顔が好きなんだー。ああん。 ああ、二つの塔の合戦シーンが見たいよーう。すごくキモチ良いんだってよ?
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