非日記
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2003年02月04日(火) LOTRのビデオを借りてみました1

以下は、この日付の頃に書いていた日記に手を加えた日記なのだが(先生、それ、日記って言わんと思います)、こうやって後になって、適当にチェックして今頃上げるというのは、いよいよヤバクなってきたからだ。
そろそろ二つの塔が上映だよ?
それで慌ててあげてみる。日記の日記たる価値を守る為だ。

(注:猛烈にネタバレしてます)

いや、一応ちゃんとエクステンデッドなんとか?(長い奴)を買ってるんだが。
ちみちみっと増えてる。
特に冒頭、ホビットの感じを堪能できるところとロスロリアンを発つところが(がらどりえる様が良い人になっていて)とても好きなんだが。ガラドリエル様とギムリの贈り物のところは凄く良い出来。ガラ様が凄く良い感じで、原作より良い感じ。
実際は(原作のイメージでは)、ガラドリエル様はあんな人間っぽい人ではないだろうと思うけど。トールキンが描いたエルフってのは、なんというか、人格的な魅力を通り越した美しさなんだろうと思う。物凄い芸術作品を見て、そこに描かれているテーマが理解できなくても、あるいは自分の価値観と相反していようとも、
「それはただ美しい。こんなものがありうるなんて」
とガンと目が眩むような圧倒的なものなんだろうと思う。
ギムリは、まるで、技巧を超越した芸術作品に焦がれ、それを敬うようにガラドリエル様に魅了されたのだと思うし(それはちょうど鱗光洞に魅せられたようにだ)。
だからそれは言うなれば職人集団である種族柄ってのもあると思う。
「髪をもらう」なんてのは、普通なら性的な感じすら抱かせそうなところだが、これがギムリとガラドリエルなので。実際は
「あの、プライベートなお時間に申し訳ないが、実はサインが欲しいんです。ああこんな時に俺っち色紙を持って無い!駄目だ、メモ帳に書いてくれなんて、こんな大スターにそんな失礼な事は言えない!ぎゃわ!このワタクシめと握手を!?いかん!御手が汚れまする!ああギムリ超感激★もうこの手は一生洗いません!」
みたいな感じなんだろうと思われる。
映画ではそんなギムリに対しての、
「ハハハ。まあ手ぐらいは洗えよ」
というレゴラスの眼差しが実にイイね。レゴラスが「ふ」と笑うところだ。
「ああ好感度ミラクルアップだね」って感じがするよ。
映画でのギムリとレゴラスはそんなに仲悪そうで張り合ってるようにも見えないのだが(ギムリが一方的にレゴラスを、というよりエルフを嫌ってるように見える)、よく見るとモリアの門の「合い言葉を忘れると城主ですら入れない」みたいなところで、
「どうせそんな事だろうと思った」
等とどうやら言ってるねんな(苦笑)たぶんこれはアレよな。「ドワーフのやる事に考える事ってのはさ…」みたいなニュアンスよな。さりげなさと突き放して冷めた感じがエルフらしいね。
ギムリは怒りも喜びも赤裸々に表すし、ロスロリアンに入る時も、自身の疑念や恐れをホビット達にひそひそ言って同じ価値観を抱かせ仲間に抱き込もうとしているしな。
エルフならたぶんアアいう事はしないと思われるね。どうも疑いがあり、やっと勇気を振り絞って「ねえ、あなた、なんだか彼に冷たくない?私の気の所為かしら?」ってオドオド聞いたらば、「ん?そうかもね。だって私、あいつ好きじゃないし」で、「それが何か?私が彼を好きか嫌いかと、あなたに何の関係があるの?」って感じだろうと思われる。
もう絶対そうだよ。あの種族は(決め付けるな)
それが互いに良いところでもあり、悪いところでもありだ。ドワーフとエルフの縁がみるみる疎遠になったのも道理って感じだ。普通そうだろうと思うよ。一度こじれ出したら、ドワーフにしてみれば「お高くとまりやがって」って感じだろうし、エルフにしてみれば「姿ばかりか心根も見苦しい」って感じになるんじゃないか。

エルフを見るのが夢だったサムが実際にあった感想を問われて、「確かにエルフは美しかった。それは言い表せないほどです。ただ、エルフの美しさは…」みたいな事をモゴモゴ言ってたのにあらわれているのだと思う。

ともかく、しかしながら、その圧倒的な人知を超えた美しさってのは、所詮人が演じる映像ではあらわせないので、ガラドリエル様をああやったギムリとのシーンはとてもOKだと思う。この話はやはり神話を(正確には神話時代の終焉を)描こうとしただけあって、映像化が難しいんだよ。例えば、サウロンとその一派の人知を超えた恐ろしさってのも。
あれらへんへの恐怖てのは、もはや理屈じゃないんだと思うね。大体、映画を見て、どこのガキがあの目玉を怖いと思うんだ?(苦笑)いや、怖いのもいるかもしれない。おっきいしな。赤いしな。ありがちに爬虫類系だしな。


…ここで色々脱線し過ぎたみたい。
とうとう「原稿用紙二十枚以内で書け」等と言われたので、続きは五日付に持ち越しになった。
しかしよく考えたら、さくっと消せば良いわけだ。


やぐちまさき |MAIL