| 2004年11月21日(日) |
ss続き(後半追加) |
私はふと、遠い昔に飼っていた猫のことを思い出した。 柔らかく温かいその生き物は、子どもの自分にとって永遠の存在のように思われたが、気がつかないうちに死期を迎えていた。ある日の早朝、毛布の上で動かなくなっていた猫は、触れてみるとまだ生きているようなぬくもりを持っていた。 しかし、数時間後に抱き上げると、冷たく、かたくなっていた。
それはもう抜け殻でしかなかった。 遠くに行ってしまったのだと、その時に思った。
不思議なものだ。
その後戦場で多くの命が、無残にも消えて行くのを目の当たりにしたというのに、あの猫の死の記憶が薄れることはない。
私は食べる手を止めた。 「エド」
少し驚いたような顔で、鋼のは私を見つめた。
「こちらに来なさい」
鋼のは戸惑っていたが、いつもの憎まれ口を叩くタイミングも外してしまったと思ったのか、スープの皿をテーブルに置くと、ゆっくりとこちら側に歩いてきた。
「なんだよ」
「なにが不安なのかね」
問いかけとともに、私は鋼のを抱きしめた。
−−−−−
すみません… なんか中途半端なとこで…
猫は本来死期を悟るとどこか見えないところへ行ってしまうとききますが、ウチのところはそうじゃなかったもので。
今日はこれからおでかけだー。
明日までに終わらせることができれば…。
−−−−−
「…なっ…」 じたばたと腕の中でもがく金色の頭。 「体温が感じられれば、不安でなくなるのか?」 鋼のの左手を、私の頬に触れさせた。 「鋼の」 そのまま、抱きしめた腕に力を入れる。
「離…せっ…」 鋼のは私の胸を右手で思い切り突き飛ばした。
「どうした?」
「アンタ、何考えているんだ?!」 それまでの息苦しさと怒りの所為か、息を上げて、金の瞳でこちらを睨み付ける。
「人の体温なんて、そんなものだよ」
「は?」
「不安でなくなるなんてことは、ない」
「……」
再び大人しくなった鋼のに、私は食事の続きを勧めた。
風呂に入りたがらない鋼のを無理矢理バスタブに押し込んで、食事の後片付けをしていた時に電話が鳴った。
「大佐、夜分に申し訳ございません。アルフォンス君が、エドワード君と話をしたいそうです」
思ったより早い電話だったな、と考えながらふと背後を振り返ると、鋼のが頭から水滴をたらしたまま、素っ裸にバスタオルをひっかけた姿でリビングを覗き込んでいた。
「…電話の音がしたから…」 鋼のは恥ずかしそうに言い訳をする。
私は思わず小さく笑ってしまった。 「弟君から電話だよ」
二人が喧嘩をするのは、互いを思いやるあまりの、心のすれ違い。 そんな喧嘩をした記憶がもはや曖昧なものになっている私には、エルリック兄弟は時折厄介な存在に思えてくる。
厄介だけれど、
愛しいと、
心の奥でつぶやいてみる。
−−−−−
はいっ!!!
終わりました!!!
それでは張り切って明日を迎えたいと思います!!!
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