あおい世界
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2010年08月21日(土) 本■熊谷三連発。

いつもの市民センターの図書室は、
基本的に冊数が少ないので、
一人の著書に対しても数冊ずつしかないのですが、
ふと目に入った熊谷達也さんのものが、
4、5冊まとまって並んでいたので、手に取ってみました。
いつも先に開く巻末の方にある著者紹介を見ると、
仙台出身の方のようです。
あたしより10歳ほど上の方で、
作品は仙台が舞台になっているものが多いみたい。
そんなところにピンときて、
予備知識がない作家ではありましたが3冊借りてきました。


まず季節的にちょうど良い 『七夕しぐれ』。
いいね、いいね〜〜。
最近ミステリー物が好きだということが分かりましたが、
突拍子も波乱もない中で純粋に描かれているのも好き。
5年生の男子2人と女子1人が団結していく話なのですけど、
我が娘よりもずーーっと大人なんですよね。
そして、友達とのいじめや差別に対して、
立ち向かおうとする時、親に頼ることはなく、
先生や近所の大人との接触によって成長していくんです。
あぁ、子供ってこういうきっかけで変化するのかもなぁって思いました。
もちろん仙台が舞台なだけに親近感もありましたし、
自分が子供だった頃や、娘たちのことを思いながら読みました。


次に開いたのは 『新参教師』。
これも舞台は仙台。
先ほどのは学校の生徒、子供たちが主役でしたが、
こちらは先生が主役。
そしてちょうど今のあたしと同い年の男性教師。
教師とはいえ、生徒との絡みはほとんどなく、
ほとんどが職員室等での教師間とのやりとり。
やりとりというか、いざこざというか…。
途中から、探偵も混ざってきて、
自分を落とし入れようとしているのは誰かを探す、
ミステリー調になっていくのですが、
残念ながら、その誰かは容易に想像ができる人物でした。
さらりと読むには面白かったかな。
教師も、ただの人間ってことですね。


最後に 『相剋(そうこく)の森』。
仙台だけが舞台になっているわけではありませんが、
それでも仙台でのシーンがたくさんありました。
360ページに及ぶ二段組で、内容も重々しい感じがしたのですが、
読み始めてみたら、案外面白くてすらすらとページが進みました。
女性ライターとマタギとカメラマン、
都会と村、自然保護と動物愛護と熊狩り、
そして自分のルーツ、仕事の挫折、妻との別居。。。
いろんな要素が絡まりつつ、
全てにおいて、これという確定した結論付けをしないままの最後。
読み応えがあり、読後感も悪くなかったです。
そして、この 『相剋(そうこく)の森』 に出てくる内容が、
『邂逅(かいこう)の森』 『ウエンカムイの爪』 という作品に通じていたりするので、
そちらを読んでみたい気持ちにもなりました。
そして今日もまた熊谷作品を借りてきました。


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あおい雪  DiaryINDEXpastwillMAIL

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