2007年06月09日(土)
チビ太の金庫破り
小学校低学年のとき、「おそ松くん」のアニメがリメイクされて放送されていた。
そんな折、玉屋だったか浜屋だったか忘れたが古本市が開かれたので母と行き、古本嫌いな父に内緒で1冊だけ買ってあげると母が言ってくれたのが嬉しくて店内を歩き回っていたら、「おそ松くん」が1冊だけあったのでそれを買ってもらった。
その買ってもらった単行本の1話目に入っていたのが「チビ太の金庫破り」の回。
番外編のような構成で、チビ太が主人公だった。
金庫破りで服役を終えたチビ太は金庫破りはもうしないと誓って堅気の職に就くのだけど、刑事のイヤミはそれを信じず、事あるごとにチビ太をつけ狙う。
そんな折、おそ松くんたち六つ子が金庫に閉じ込められてこのままだと窒息死してしまう場面に遭遇するチビ太。
葛藤しながらも覚悟を決め、イヤミの目の前で金庫破りをして六つ子を助けるとその足で「金庫破りしたから逮捕しておくれよ」とイヤミのところに出頭する。
でもイヤミは「何のことざんす?ミーは知らないざんす」とそっぽを向いてしらっぱくれる。
最後、子分のハタ坊と一緒に新天地に旅立つチビ太をこっそり泣きながら見送るイヤミが印象的で
(イヤミって本当は良い人やった〜)
と、妙に感激し、「お母さん、お父さんに内緒で良い本買ってくれてありがとう!」と母親に感謝の言葉を言ったほどだった。
20年後、NHK-BS2の「お宝TV」で作者の赤塚不二夫氏もこの作品が一番好きだったということを知り、あの時感動した胸の疼きを思い出した。
もう一つ好きだったのが、詳しいあらすじは忘れたけど、チビ太がピンチに陥って大金が必要になり、六つ子の家族がそれを肩代わりするが、チビ太は特に感謝もしなければ謝りもしないまま姿を消す。
しばらくして、豆腐売りをしているチビ太を六つ子が偶々見つけて袋叩きにするのだが、六つ子の1人が落ちていた通帳を見て慌てて他の兄弟を止める。
それは六つ子名義の通帳で、チビ太は豆腐の売り上げを全部預金していた。
「百万円(多分)貯まるまで待ってな!」と怒った感じで通帳を引ったくると再び、ラッパを吹きながら豆腐売りに出かけるチビ太。
それを見ながら六つ子の1人が「あいつ、本当は良い奴…」と呟いて終わる、というもので、これまた私の切なさ好きのツボをぎゅいぎゅい押してくるもので何度も読み返した。
こうして考えたら「ドラえもん」よりも読み返した回数は多いかもなぁ。
「ドラえもん」も読みながら泣いた話はあるけれど、何度も読み返しはしなかった。
ギャグ漫画とかコントとか、おおよそ“涙”とはかけ離れてそうなものが実は…というものに私は弱いのかも。
渋谷でインストア。
覚えていたけれども大雨の脅威の方が勝ち、家でゴロゴロ。
パペポTVのDVDをランダムに見ていたら、ちょうど、何かにつけノックさんの名前を出す上岡さんに鶴瓶さんが「ノックさん、ノックさんって付き合うてまんのか。何かいうたらノックさんか卑弥呼や」という回だったので、ノックさんのお別れの会の時の上岡さん、もとい横山パンチ氏の弔辞を思い出し、うぅっとなる。
漫画トリオ時代は全く知らないが、うちの父親が言うにはたまらんほど面白くて一世を風靡していたそう。
私はノックさんの前髪がくる〜んとしていたことすら知らない。