つらつらきまま


2005年11月06日(日)
「メリーゴーランド」購入!


友達が川崎でフリマをやるというので行ってみたがあいにくと雨で中止に。
 せっかく来たので、旅先ではいつもやる「BOOK OFF」めぐりをやってみたら、常々欲しいと思っていた荻原浩の「メリーゴーランド」を発見!
 すかさずレジに持って行き、電車や家で楽しく読んだ。

 主人公が働く会社の上層部がうちの上層部とまさしく同じで、もしかしたら私は日本の平均的な職場環境で働いているのか?それともやっぱり小説ぐらいしかお目に掛かれない変な環境で働いているのか?と少し思う。
 いずれにせよ、これから不毛な会議中に私が心で毒づく言葉は「ヘイヘイホー」のほかに「千年先までそうしてろ!」だろうなぁとため息。

 「神様からひと言」「メリーゴーランド」「なかよし小鳩組」は私が何度でも読み返す荻原作品になるだろうなぁ。
 この人の本は私には外れが無くて嬉しい。

本田美奈子さんが亡くなった。
 つい先日病床から直筆メッセージを送っていたから、回復に向かっているんだろうと思っていたので驚いた。

 時々(何で母はいないんだろう)と真剣に考える時がある。
 それは亡くなったからだ、ということはもちろん頭では分かっている。
 でも“亡くなった”ことと“この世にはもういない”ということがまだ完全には頭の中で結び付けられずにいる。
 
 新し物好きな父なので、我が家には1984年からのホームビデオがある。
 休日は従兄弟達も連れてどこかへ行くことが多かったので、映像は従兄弟達と遊んでいるものが多い。
 その中に家族だけで動物園に行った時のものがあった。
 私は幼稚園の年長ぐらいだったが、放し飼いをしているフラミンゴの大群が続々やってくる様子にびびってしまって母におんぶをしてもらう場面があり、それが自分では凄く意外だった。
 母は小柄で病弱だったから、抱っこはしてもらった覚えはあるがおんぶや肩車は父にいつもしてもらっていたからだ。
 ビデオの中の私は母の首にきゅっと腕を回して凄く嬉しそうだった。
 母はビデオを回している父に(まだまだ赤ちゃんよ)というような笑顔を向けていた。

 私は県外の大学に進学したので、地元に帰る時は特急列車を利用していた。
 帰る時はいつも母が駅の改札口で待ってくれていて、私を見つけると笑顔で手を振っていた。
 身体が弱い母だったが、どんなに体調が悪くても迎えに来てくれた。
 初めて母が迎えに来れなかったのが、5年前に脳梗塞で倒れた時だった。
 特急列車がいつもの駅に着いたのに改札には誰もいなかった。
 その時、あらためて事態の深刻さを悟った。
 そしてもう二度と母は駅の改札に私を迎えに来ることはなかった。

 母を思う時、私はこのおんぶのことと改札口の笑顔を思い出す。
 もうあの安心で温かい存在はこの世のどこにもいないと思うと、自然と涙が溢れる。
 年が経てば悲しみは薄れるかといえば、私はそうじゃない。
 生傷はじょじょに薄れているのかもしれないが、喪失感は年が経つごとに募る。

 喪失感や絶望感に襲われて流されてしまいそうになる時、私は母のラストメッセージを思い出す。
 自分でもあんなに状態が悪化するとは思っていなかっただろうから、遺言らしき遺言を残すことを母は出来なかった。
 そのかわり、こん睡状態に陥る前夜、ふと目覚めて私がベッドサイドで泣いているのを見ると、私の手を両手でつかみ自分の心臓の上に置いた。
 母は脳梗塞で右手が麻痺していた筈なのに、不思議とその時に麻痺は無かった。
 そして母の鼓動はとても力強かった。

 私達親族は、母が眠っている間に別室で医師から母の命はもう長くないことを告げられていた。
 1ヶ月は無い、と。
 でも母の鼓動は余命宣告を受けた人のものとは思えないほど、どくどくと刻んでいた。
 言葉を発することは出来なかったので、自分の心臓の上に手を置かせたままただ母は私を真正面からじっと見据え続けた。
 それは(私は生きている)と言っているように思えた。
 そして(あんたも生きなさい)と。
 私は泣きながら「分かった。お母さん、分かった」と言った。
 すると母は手を離し、再び眠った。

 母が亡くなったのは12月13日。
 この日が近づく度、私は(生きなきゃ)と強く自分に言い聞かせる。

2丁拳銃関連の番組をダビング中。
 やっぱり見に行かなきゃなぁと思う。

 そういえばここ数日小堀さんのかきこみが凄い。
 これが本人じゃなかったら笑ってしまうが、どうやら本人らしい。
 どうしたの?と思うが、イベントが近づくとそわそわと違う心境になるのかもしれない。
 そういえば公式がまだ掲示板のみだった頃は、3日にいっぺんぐらいはかきこみしていたなぁと思い出す。
 あの頃は生沼さんも熱心にかきこんでいた。
 そして修士さんはマイペースだった。
 小堀さんがやりたかった公式掲示板のかきこみ順100番をやってしまったあの子は今どうしているだろうか。
 
 




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