つらつらきまま


2005年08月30日(火)
小世界


実家にACアダプタのコンセント部分を置き忘れて帰るという、サザエさんちっくなうっかりミスをしでかしつつ、日曜日に東京に戻って来た。
 乗る飛行機の整備が長引き、30分ほど遅れると知らされた途端、どこぞのおやじが客室乗務員に

 「オレは19時までに〜に着かないといけんとぞ!間に合わんやったらどがんしてくるっとや!」だの
 「オマエに言うてもしょんなかっ!一番えらか奴ば呼んで来い!」だの
 「18時過ぎても東京に着かんやったら、それなりのことばするけんな」だの

 と、喚いたところでどうにもならんことをグダグダ絡むので、乗る前からげんなり。
 そんなに急いでるんならヘリでもチャーターしろ、なんて思う。

昨日から仕事。
 今の私の仕事に関して参考になりそうな知人がいるので話を聞きに行ってみないか、とトリガラ氏が言うので、一緒に行くことに。

 東京に戻ったらもう秋の風が吹いていたのでびっくりしました、とトリガラ氏に私が話しかけたら
 「実家が九州なら、大学も九州なんですか?」
 と訊ねて来た。
 何故唐突に大学の話が?と思いつつ「ハイ」と返事。

 ここから、往復約30分におけるタクシー内での
 「It's ガラ's 悪口&自慢ワールド」
 の火蓋が切って落とされた。

 よくもまぁ、こんなによう、と呆れるほど他人の悪口&己の自慢話が繰り出された。
 一番驚いたのが、人生の長さが私の約2倍にも関わらず、
 「国立二期校を辞めて一期校に入り直した」
 という、30年近くも昔の事が彼の自慢ランキングの上位に入ってたことだ。
 学生だった頃より社会人である長さの方がとうに長いのに、いまだに学歴にしがみつくかね、とぽかーんとしてしまった。

 話を聞いていたら、彼の根底には“東大コンプレックス”がありそうだった。
 恐らく東大を受験したのだろうが、滑ったんだろう。
 彼が言う<二期校>は、今では偏差値もそこそこな関東の国立大だが、当時のガラは“教員も生徒もバカばっかりで、こんなところに埋もれてはいけないと思った”らしい。
 その学校にしか受からなかった現役時代の自分自身を何よりも許せなかったのだと思う。
 かといって、再受験しても東大には入れなかった。
 嘗て通った二期校をけなし、受けなおした一期校へ誇りと愛情を持つことで、東大コンプレックスを無理矢理封印してきてるんだろうなぁ、と必要以上に己の嘗ての母校をけなす姿を見ながら冷静に思った。

 それにしても今頃<一期校>だの<二期校>だのと言われても全く以ってピンと来ないんだが。
 「オレは一期校出身なんだ」と聞いても無いのにカミングアウトされたところで、答えは「だから?」か「ハァ?」だ。

話の矛先は、私の部署移動を助けてくれた元部長にも及ぶ。
 性格もビジュアルも正反対なので、そりゃ話は合わんだろうなぁとは思っていたが個人の確執を私に言われたところで、(知らんがな)だ。

 どうしても元部長の悪口について私に同意させたい感じのガラ。
 大概の事はヘラヘラ従うが、ヘラヘラ出来ないことについての私は、自分でも持て余すほどに頑固だ。
 「アイツは下品だ」とガラが言えば「フランクな方で、開放的な方でしたね」と私。
 「アイツはオレが行ってた二期校出身なんだよな」とガラが言えば、「あぁ、(元)部長は学生紛争で東大入試が中止になった世代なんですよね。確かあの時だけですよね、入試が中止になったのって。よく知らないんで曖昧ですが」と、暗に
 (オマエと元部長では同じ大学入学でも事情が違うんだよ、すっとこどっこい)とすまし顔で皮肉を滲ませつつ返す私。

 好かれたいとは思っていないので、失礼にならない程度の売られたバトルを返す。
 ムッとしたのかどうかは知らんが、帰りの車中では、
 「せりさんにはもっと広い世界で仕事をして大きくなってもらいたい」だの
 「違うところで仕事をすることは大きな刺激になる」だの
 「ここ(訪問先)は、うちの社からも違う部署の人だけど出向してるんだよ。そういう枠があるから。そういう人事交流って大事だよね」だの
 
 と、(コイツ、ひょっとして4月から私をここに出向させる気か?)
 とも取れる発言を連発。
 
 まぁ、1年間コイツの顔を見ないで済むので行ってみたくはあるけど。

そして、こうまでして話を聞きに行った相手は、部署移動しており、現在の部署は今の私の仕事内容には何の関係も無く、嘗ての部署とはあまり付き合いが無いという、あらゆる意味で(さすがガラの知り合い)と思うものだった。
 私の昨日の午前中は何と不毛だったんだ…。

今日は今日で、定例会議に社長が初めて出るということで、来なくても良い副社長やら専務やら常務やらが雁首揃えてお出まし。
 正月に見たきりの社長は、着る人が着れば違うんだろうなぁとは思うクールビズファッションのせいで、ビジュアルがますます金正日に近づいていた。
 そして、社長がいようがいまいが、訳分からん御託を並べ立てる副社長のせいで、会議は延長の一途。
 あまりにバカな発言を聞いた時は流石にコケて笑ってしまった。
 誰も見てないと思いきや、
 「せりさん、思いっきり笑ってたねー。オレ見えてたよー」
 と先輩から言われる。
 「オレもさ、せりさんが堂々と笑ってるから、よしオレも!と思って後に続こうとしたら、周り誰も笑ってないのな。だから止めたけど。でも、あれは笑わねえ方が信じらんねぇよ」
 と先輩が言うと古参社員から
 「そうか、そんなにバカだったか。オレはもう振られないと思ったから、途中から今日のメシどこに食べに行こうかとかいうの考えて聞いてなかった。笑ってなかった人達はみんな話聞いてなかったんだと思うよ」
 と、キャリアに相応しい含蓄あるコメントを頂いた。

 こんなバカ会議が既に今日で8回目だから驚く。
 8回も開いて何の方向性も得られていないことに上層部は死ぬまで気づかないんだろうか。
 死んでからも気づかなさそう。

+++++
放送地域に住んでいないしネットにも数日つなげていなかったので、気づけばMBSの漫才アワードが終わっていた。
 ヤフトピに麒麟が優勝した、と載ってたから、2丁拳銃が負けたことは知っていた。

色んな掲示板やブログ・日記等で今回の2丁拳銃の判定について書かれてあった。
 あまりすっきりするものではなかったらしい。
 「2丁拳銃のほうが面白かったのに!」という理由で敗退納得がいかない、というものについては、私は参考にしない。
 面白い・面白くないはジャリズムの渡辺さんがいうところの「笑いって趣味の問題」だと思うから。
 面白い・面白くないは個人で思っておけば良いものだと思う。

だが、判定の色を間違ってアナウンスし、判定の途中でアナウンスした色が間違っていると訂正しても、判定はそのままだった、というのはやっぱりおかしいと思う。
 今回、もし2丁拳銃の方が多く獲得したとしても割り切れなさが残るだろうと思う。
 “実力”と思っても、“ミスに救われた?”とも思ってしまう。

 正直、(もしかしたら今回は…)と思う面はあった。
 今、あらゆる方面に貪欲だし、ファンの贔屓目からしたらそんなに悪くない風が吹いているようにも思えるので、このまま行くんじゃないかなぁ、と。

 最初に知ったのは、<1回戦で落ちた>という事実だった。
 意外だった。
 最近、頓に“うめだ=アウェー”と言ってるので、審査員のお気に召さない漫才でもしたのかしら、と思った。
 経緯を詳しく書かれたところを読み、そういう事情だったことを知った。

 ネタに全く関係ない部分で足をすくわれたことは残念だし、切ない。
 でも、事情がネタとは関係ない部分だから、どこか救われるところもあるような気がする。
 私は本編を見てないから分からないが、2丁拳銃についてファンorアンチor中立の感情を持つ人が見て、(こんなに良い漫才をしたのに…)と思ってくれるような漫才を2人がしてくれたのなら、それだけでも勝ちに似たような気になる。

 もちろん、賞はとってナンボ。
 来年もまた出れるんなら出て、すっきりと勝ち負けの決着をつけて欲しいし、(MBS以外にも賞レースはあるんじゃ!)とMBSに見切りをつけ、節操無く色んな賞レースに片っ端からエントリーするならそれも面白い。
 東京に出て来て5年。そろそろ東京で何かの賞をとった2丁拳銃を見てみたい。

久しぶりに2丁拳銃について熱く書いた気がする8月30日。
 新しいジョージアのCMは、丸山弁護士が出ることより、和田アキ子と信じて疑わなかったCMソングがサンボマスターだったことに驚いた。
 似すぎ。色々複雑な問題が絡むが。



 Written and  arranged by  seri   || スキン by エンピツスキンニュース++