No Problem

2002年11月17日(日) ポール・マッカートニーとの一夜

*今日の日記、むちゃくちゃ長いし、興奮してます。すみません。

 夫に起こされ、あたしと息子は眠いしあまりお腹もすいていないのにレストランへ連れて行かれる。
夫のすごいところは、朝からいきなり快食快便なところだろう。
あたしなんか、起きてしばらくは水分ばっかりって感じなのだが、この人朝から
豚の角煮食べろって言っても喜んで食べるだろうな。

 朝ご飯は大人850円、子供500円のバイキング。
あまり食欲ないあたしは、モトがとれない気がして「降りてから朝マックでも
したほうが安いじゃん」とか思うがもりもり食べたい夫は許してくれない。
ま、せっかく大名旅行(か?)としゃれこんだのだから、ここはひとつ船上でバーンと行こうか。(なんて人間が小さいんだ)
 それにしても、朝でも夜でもいつでもどこでもフライドチキンとポテト、卵焼きをごっそり持ってくるうちの息子は、味覚障害にならないか心配である。

 港からUSJまでは「ドリームシャトル」という小さな船に30分ほど乗る。
なぜか朝から尾崎豊が大音量でかかっている。
船の窓から遠くにかすむ大阪のビル群を見ていると、「にじむ街の灯を〜ふたり〜
見ていた〜」とか「やっぱ好っきゃねん〜あんたやなきゃあかん〜」が脳内に流れてきて(夫もそうだったらしい)、すでに大阪濃度が上がってきていたあたしたちには、オザキがどんなに絶唱しても、ムダなのであった。

 まず、大きな荷物を今夜泊まる予定の「ホテル近鉄ユニバーサルシティ」に預ける。
ここは、USJに一番近いオフィシャルホテル。
 朝食付きで3人で24,500円とはテーマパークのオフィシャルホテルの値段にしては良心的なのではないかと思う。
 夜は大人の時間なので昼は子供サービスでもするかということで、世界最大という天保山の「海遊館」に行く事に。魚に夢中の息子もよろこぶだろう。
 それにしても、朝から修学旅行の団体やら、中国人のツアーやらでごったがえしている。そうか今日は日曜だった。

 入り口のワゴンで「海遊館たんけんノート」というのが売っている。
これはおすすめ。買いです。
ビニールのポシェットにノートと消しゴムとシャープペンシルがついて300円。
順路に沿ってクイズ形式で楽しく観察できるようになっている。
カワウソの絵があって「目と鼻と口を書き入れてみよう!」とか「海亀と陸亀の足の形の違いを書いてごらん」なんて問題がたくさんあって、息子はすっかり名探偵コナン気取りで次々に海の生物の謎を解き明かしていっていた。(ほとんど、間違ってたが)
 あまり、こういうのに興味のない子供でも楽しめる小細工じゃないかなぁと思う。
息子はもともと観察したり絵を書いたりするのが大好きなので、逆に「水族館を楽しむ」っていうより「観察ノートを完成させる」が目的になっちゃったけど。

 愛用の黒いリュックを背負って(お気に入りの「大どろぼうホッツェンプロッツ」の本が入ってるので重い)飛び回る息子を、迷子にならないように目で追っていると、なかなか水槽の中は見られないのだが、
それでも、ふと気づくと自然のままのような海底の世界に目を奪われている。

 それにしても、ここはすごい。建物全体が水槽っていってもいいくらい広いので、ほんとに自分が潜っているような錯覚に陥る。
ジンベイザメがエイ2匹をしたがえてこちらに泳いできた時は、まだ人間が発生する前の世界を見たような、逆に人間が滅びてしまった後の世界を見たような。
特にエイがエヴァぽくてかっこいい。
あたしは造形とかまったくわかんないけれど、エイの姿にはアートを感じた。
そうか、戦闘機っぽいんだ。

 夢中になってみているうちに、2時間も過ぎていた。
出口には、なんと懐かしい(修学旅行のとき東京タワーで作ってしまった)メダル刻印がある。
「30円!むちゃ安ぅ〜っ!」と早速やろうとしたら、500円のメダルを買って、刻印代が30円なのであった。そりゃそうか。
 息子は、ジンベイザメのメダルに即決。
ものすごく喜んでいた。コドモって「自分の名前が書かれている」ものに弱いのよね。

 さて、お昼をどうしようという事で、夫が行きたいという「海遊館マーケットプレイス」にある「なにわ食いしんぼ横丁」というところへ。
昭和40年前後の大阪の町を模した食堂街だそうで。
ここで、たこ焼きやらお好みやらいろいろ食べたんでぇ〜・・・と思ったのだが、とにかくどこの店も人が並んでいる。
あっちで一口、こっちで一口なんて食べ歩ける雰囲気じゃないではないか。
仕方が無いので、最初に並んだ餃子屋さんでとりあえずどんぶり物なんかも頼んでお腹いっぱいにしてしまおうと考える。
「餃々」という店で、餃子はまぁ普通やったけど、「豚丼」いうのがむちゃくちゃうまかった。
「タレ」と「塩」とあって、あたしは「塩」を頼んだんやけど、塩味に中華ベースのダシがあんかけ風にからめてある豚(たぶん肩ロース)がどんぶりの白ごはんの上にドーンと乗って、刻みネギが散らしてある。
う〜、思い出しただけでまた食べたいわ。あかん、すっかり大阪弁になってるがな。

 それから、サントリーミュージアムで「世界初宇宙で撮影した立体映像!」というのを上映してて宇宙博士めざす息子に見せようかと思ったのだが、1時からのチケットは売り切れ。次は3時からである。
それまで待っていてもなぁ・・・ということで、これはあきらめて息子にどこに行きたい?と聞いてみる。
 すると、息子はどこで大阪情報をリサーチしたのか「くいだおれ人形とカニが見たい」と。
我が子ながらあなどれんやっちゃ。
 てわけで、道頓堀へ行く事に。バスに乗って行く。
夫はよく今でも仕事できているけれど、あたしは本当に何年ぶり?2回目か3回目だ。
 焼けてしまった中座の脇を通り抜けて、くいだおれの前に。

息子「このくいだおれ人形は日本に1つしかないの?」
あたし「そうだよ」
息子「じゃ、世界にも地球にもひとつだけってこと?」
あたし「まぁ・・・・そういう事だね」
息子「すごい・・!そんなすごいのをこんなに簡単に見られちゃうなんて!!」

 親子ともども、何て人間が小さい・・・。(;´Д`)

 退院後、初めてこんなに歩いた(田舎に住んでると歩くということがほとんどない)ので、ちょっとお腹が張ってきたような気がして、マックで座って休む。
そろそろ、ドームに移動しようかということになりタクシーに乗る。
降りたとたん、「チケットない?チケット買うよ」とダフィーたんの声が。
 今日はドーム付設の託児所に息子を預ける手はずになっている。
(いいねぇ、こういうサービス)
 コンサートパックというもので、5時から終わるまで(アンコール終了まで)で5,400円。
人に頼んだら、迷惑だしお礼もしなくちゃだし、この金額で安心が買えるのなら安いもんだ。
 食べ物持参という事になっているので、息子のためにお弁当と飲物を買う。
夫はツアーパンフを買い、その辺をぶらぶらして時間をつぶす。

 やっぱり年齢層が高い、というかあたしたちくらいの人が多いかな。
何かお腹に入れておかないと、と急にお腹がすいてきたあたしは5時ちょっと前に、中華のファーストフードに並んだ。ビールもちょっと飲みたいし。
みんな、同じ事を考えているようで、10分くらい並んで待つ。
 その間、夫と息子は適当に待っていたのだが、ほんとうに、これがラッキーのはじまりだった。

 ようやくサンドウィッチとビールを買ったあたしの所に夫が走ってやってきた。
「今、そこで主催者サイドっぽいねえちゃんが、席の交換してるんだよ。盛り上げてくれれば一列目と取り替えるとか言ってる」と興奮して話し、あたしを引っ張っていった。
今考えるとこの時、息子の事を全然忘れていた。彼はどこにいっていたんだろうか。あたしの近くにずっといたのだろうか?興奮してて覚えてないけど、迷子にならなかった事だけは確かだ。
 確かに業界ぽい姉さんが、4人の50代くらいのツイードのジャケットを着た男性に(男女2組)話し掛けている。
男性「ファミリーで来てるから・・・」
姉さん「もう、ファミリーで盛り上げてくださいよ〜」
男性「これはつけてるけど」(ジャケットの襟にポールの名前をかたどったバッジをつけていた)
姉さん「これで、充分ですよ〜!」

 後ろから様子をうかがっていたあたしは、煮え切らないその人たちをさえぎって
「はい!はい!!やります!盛り上げます!取り替えてくださいっ!」と手をあげたのだった。
姉さん「Tシャツ着て盛り上げてくれますか?」
夫「はい、はい!着ます。すぐ買ってきます。」
姉さん「ノリノリでお願いしますよ。見てますからね〜」
あたし「1曲目から立っちゃいますか?」
姉さん「そうそう。最初から」
あたし「わっかりました〜(*゚∀゚*) 」

 てわけで、姉さんからもらったチケット
アリーナ1列目!!!!!(「御招待」のスタンプ済)
ほんとかなぁ?なんかのサギちゃうかなぁ?と思ったりもしつつ、もう地に足がついていないのであった。

 あとで2ちゃん見たら言われてました。
>72 名前:ホワイトアルバムさん 投稿日:02/11/19 11:56
>>666
>発券ミスではないよ。
>今回はそういう人が結構(といっても僅かだけど)いるよ。
>本来は招待席なんだろうけど、係員が声をかけて最前列で見られる
>ようになるラッキーな人がいるみたい。最初はネタかと思ったけど。

>673 名前:ホワイトアルバムさん 投稿日:02/11/19 12:47
>634です。ネタじゃないんです。係員(姉ちゃん)がくれるんですよ。いい席を。

 律儀な夫は、早速ポールTシャツ買いに走る走る。
ところが、さっきまで混んでなかったグッズ売り場が今度は長蛇の列。
託児所の前で30分以上待っても帰ってこない。
開演時間の6時までもう15分しかないのに。

 ようやく、2枚のTシャツをゲットし、あたしは託児所の授乳室で、夫はその辺で着替える。
ゲート4から入る。持ち物チェックも何もなし。
ちゃんとチケットはホンモノだった。
真正面でこそないけれど、ステージの向って左端くらいの場所。
ほんとに一列目だ〜。後ろを振り向くとスタンドの観客が小さく見える。
この日のドームは4万人がはいったらしい。
会場はお香を焚いているようで、ほんのり良い匂い。

 プレショーが結構長くあり、最初、18世紀の貴族みたいなコスチュームの人たちが出てきた。
スクリーンには森の情景が映し出される。
それから八百屋お七的に着物を着崩した超日本人顔の女性や、チャイナ服を着た男女が京劇のようなパフォーマンス。
来る前に「なんかかぶっていこうかな」と思ったのであるが(おい)、この時痛切に思った!
「く〜!モーツァルトのヅラかぶってコスプレしてくるんだった〜!」
だって、同じ格好の人がステージにいるんだもの。
 テーマは「ポールの見た夢」だそうだ。
ちなみに次の日大阪最終日にはサージェントペパーズのコスプレした4人組がステージに呼ばれたらしい。(仕込じゃなかったって)

 そして、ついに中央モニターにポールのシルエットが浮かび上がり、会場は大歓声。
「立って盛り上げて」と言われるまでもなく立ち上がってました。
1曲目は「HELLO GOODBYE」と思うよ、と夫に言っていたあたし。
見事にあてました。
夫は中学生の時からビートルズを聞きまくり(好きなのはジョン)ほとんどの歌を知っているけれどあたしは、有名どころしか知らないミーハーなやつ。
そんなミーハーに構成を当てられてしまうなんて、やっぱりポールはエンターティナーだ。(笑)

 2曲目は「JET」。
サビの部分で手をあげてジャンプ、「ノリノリでお願い」と言われるまでもなくやってました。
ほんとにすぐそばにいるので、なんだかコンサートというよりライヴという感じだ。

 ポールの曲はキャッチーでポップでスゥイートで、楽しく、優しく、せつなく心と身体に染み入ってきた。(あぁ自分の語彙力の低さがうらめしい)
本当に20世紀(21世紀も?)最高のメロディメーカーだと思う。
 声も60歳とは思えない伸びがあるし何しろ3時間近くのステージを、自分も楽しもう、観客にも楽しんでもらおうというショーマンシップ。
バラードが終わり聞きほれていると「マイド〜」。「モウカリマッカ?」
なんてお茶目なんでしょう。(夫は「ボチボチデンナ」と答えていた)
 もしジョンが生きてて「マイド〜」言ったら(言わない)、「うそ〜」って幻滅しそうだけど、ポールが言うと「かわいい〜」って感じ。

 「my love」は東京では「リンダに捧げる」と言ったらしいが、今日は会場を指差し「for you」と言っていた。夫曰く「奥さんからクレームついたんちゃうか(笑)」
「hey jude」の最後のコーラスは皆で大合唱。
ポールは「オトコダケ〜」「オンナダケ〜」と盛り上げていた。
その他にも「オクサン」とか「ジンケンモンダイ」とか「オサカ〜」(←大阪ね)、「Michelle」の前には「フランスヘイコウカ〜!」と日本語たくさん言ってました。

 実は、ポールも良かったんだけど、リードギターのラスティがむちゃくちゃかっこよかった。
あたしを見つめて(←と本人思ってるだけ)煽るんで、もう「キャーッ!」状態ですた。
とっても残念だったのは彼が投げたピックがステージ下に落ちていたのに、係員がいて拾えなかったことです。(>_<)
あ〜、あたしにもう少しオバさん力があれば・・・。
 でも、一列目に座らせてもらうわ、ラスティのピックゲットするわなんてことになったら、本当にコアなファンに申しわけないし一生の運を使い切ってしまいそうなので、あきらめよう。
両脇にラスティとブライアンという若い二人を従えて、真ん中で歌うポールはほんと余裕で格好良かった。
ラスティも(もちろんビートルズに影響されてギターをはじめた)、ポールと同じステージでやれる事がうれしくてたまらないって感じで、見ていて微笑ましかった。
すごくいいバンドの雰囲気だったと思う。
 詳しい人にいわせればいろいろあるんだろうけれど、あたしはとにかくこのコンサートは「めっちゃ楽しい」の一言につきました。

 最後には目の前の大きな筒から紅白の紙ふぶきが大量に舞い散り、思わずサブちゃん状態。
本当に息ができないし鼻の穴に入るのだ。夫は口の中に入ってしまい喉にはりついたみたいでオエオエ言っていた。
紙ふぶきのせいで、最後はポール達がどんなふうに退場していったのかがまったく見られなかった。(笑)

 その後、JR大正駅前でパッチもんのステッカーなどを買いつつホテルへ戻る。
息子とお風呂に入り、缶酎ハイとビールを飲んで興奮を覚ます。
本当に素敵な一夜だった。疲れてるはずなのに寝るのがもったいなかったよ。

セットリスト
1.Hello Goodbye
2.Jet
3.All My Loving
4.Getting Better
5.Coming Up
6.Let Me Roll It
7.Lonely Road
8.Driving Rain
9.Your Loving Flame
10.Black Bird
11.Every Night
12.We Can Work It Out
13.You Never Give Me Your Money〜Carry That Weight
15.Fool On The Hill
16.Here Today
17.Something
18.Eleanor Rigby
19.Here, There And Everywhere
*. Calico Skies(大阪のみ)
20.Michelle
21.Band On The Run
22.Back In The U.S.S.R
23.May'be I'm Amazed
24.Let 'Em In
25.My Love
26.She's Leaving Home
27.Can't Buy Me Love
28.Live And Let Die
29.Let It Be
30.Hey Jude
アンコール1
31.The Long And Winding Road
32.Lady Madonna
33.I Saw Her Standing There
アンコール2
34.Yesterday
35.Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band(Reprise)〜The End

う〜ん、ゴージャス。
欲を言えば(まだ言うか)Silly love songやってほしかた〜な。


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