-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 娘の嫁入り













Markhamにあるジュエリーショップ【Draganov】に
久々に顔を出す。
休業日なのだが、わざわざオイラのために店を開けてくれた。
それには特別な理由がある。
オーナーのGeorgeとTracyが一目ぼれしたという
3月の個展で公開して以降、
全く外には出さなかった作品を納入する日なのだ。
ずーっと「引き取りたい」と言われたまま
今日まできてしまったが、遂に嫁入りの日を
迎えたということだ。

手厚く梱包されたパッケージを
もどかしいとばかりに開けて
二人は作品と再会した。
店内の壁のなかでも一等地が宛がわれ
早速掲げられた彼女。
まるで昔からそこにあったかのような存在感。
それを見て「あぁ、良かったね」と
満足感に満たされる。
オイラの作品、娘たちは本当に幸せだ。
真剣に「あなたが欲しい」と言ってくれる人のところだけに
嫁いでいけるんだからさ。
今まで旅立って行った娘たちは
いずれも、幸せに過ごしているし
大切に扱われている。
これは、親にとっては最高の幸せではないだろうか?

2004年11月15日(月)
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