-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 ツイてる日

久々に朝から営業活動。現在Casa Cafeで行われている"My Favorite Oasis In Toronto"の次の開催地を探しに、東のBeachesと呼ばれる地域に行った。

昨日ポートフォリオを新しく作り直して、5ページくらいの作品ファイルを配布用に用意しておいた。まずBeachesのギャラリーも覗いておこうと思って、とりあえず入った一軒目で店のオーナーと話しているうちに何故か作品を売りこんでいる自分に気付いた。特に売り込もうとした訳じゃないのに具体的に仕入れ値が何%で、コミッションが何%とかいう話しになっていた(笑)とりあえず今回は顔見せということで、後日ここの仕入れ担当者も含めて話しをすることになった。棚からボタ餅。

2〜3件のカフェにポートフォリオを預け、後日マネージャーに連絡を取る事にしたが、どこもウェイティング・リストがあって数ヶ月先まで埋まっている。今日廻ったのは既に壁面を貸しギャラリー状態にしている所ばかりだったのでしょうがない。その中でもRemarkable BeansとBeacher Cafeは良い感じ。

場所を変えてリトル・イタリーまで足を伸ばした。前から気になっていたCollege Street Barへ直行。幸いマネージャーがいたので直接話せた。普通アポ無しで行くと、担当者が居ないか、居ても迷惑そうな顔をされるのが普通だが、ここのPaul氏は非常にフレンドリー。作品も一発で気に入ってくれて、その場で日程を決めてくれた。ここもウェイティング・リストがあったのだが、特別に真夏の最も美味しい時期である7月3日から6週間という、通常の倍の期間を設けてくれた!そして、彼個人のコレクションに俺の作品を加えたいということで、何点か買ってくれることになり、後日Casa CafeとBrown Stoneに案内することになった。何て良い奴!

店内はちょうど良い暗さと、大きなバー・カウンターがある非常にセンスの良い店だ。作品数にすると12〜15枚くらい制作することになりそうで、早速頭が痛い。

こういうラッキーな日は、とことん攻めるに限るという事で、今度はキャベッジ・タウンという映画関係者が多く住む地域のカフェに行った。用意していたポートフォリオが最後の一冊になったので、一軒だけの狙い撃ち。さんざん迷った挙句、フレンチ風カフェのJetFuel Coffeeへ。カウンターでカプチーノをオーダーしつつ、お姉さんに話しを振ってみた。店内には写真家の作品が飾ってあったので、ペインティングは飾らないの?と聞くと、店には専属のキュレーターがいて彼がセレクトした作家のみを扱っていると言われた。

こういう場合は、連絡を取ったりが非常に面倒で、返事も無い事が多いので止めようか?と思ったが、ダメもとで彼女に作品を見せた。「WOW!」と叫ぶように俺の作品を取り上げ、「裏庭に行きましょう!」と言いながら俺を裏口へ連れていった。そしたら驚くべきことにそこにはトロントで有名な某キュレーターが秘密のアジトよろしく座ってタバコをふかしているではないか!

彼女が早口で俺のことを紹介してくれ、彼も話しに頷いている。「タバコは吸うか?」と聞かれたので、迷わず”Yes"と答えると一本くれた。それを吸いながら色んな質問をされたのだが、廻りの雰囲気が異様で何を答えたかはっきりと覚えていない(笑)何だかシシリー島のマフィアのアジトで接待されているような気分になった。

一時間ほど居ただろうか、これ以上ここに居たら明日の朝まで捕獲される気がしたので、展覧会の事を切り出す。やはり一年後までのリストがあって、早くて来年の2月だという。でも急にキャンセルする作家もいるので、空き次第では今年の夏くらいにチャンスはありそうだ、という。「とりあえず暇があったら、カフェに顔を出せよ」とデ・ニーロ風にささやくので、OKと言い残し足早に店を出るチキンな俺。

と言う事で、7月にCollegeでの展示が正式決定の他、数ヶ所が交渉次第ということになりました。一日でここまで決まるとは思わなかったけど、こういうツキを逃すとまた時間が掛かるので、数日中に決めたいと思います。

2002年03月15日(金)
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