I.W.O.活動日誌

2001年06月27日(水) 余談:玄翁と能

一時BBSを軽く騒がせた玄翁の話について、念のため、簡単に書いておきますね。

殺生石という怨念のこもった大きな石があって、
その石に近づいた人も動物も、みんな死んでしまうとか。。。
その石を割って供養したのが玄翁和尚で、その言い伝えから、
金槌の大きいのを玄翁と呼ぶようになったとさ。。ちゃんちゃん。
この言い伝えが、「殺生石」という能の演目になっている。

さて、これだけうろ覚えで書きかけると、かえって疑問だらけになるので、
きょう図書館で、もう少し詳しく調べてみました。

殺生石というのは、栃木県の那須野に残っている。
ある妖怪狐が、この地で弓で射殺され、その怨念が殺生石になった。
その狐とは、インド・中国・日本と、3国をまたにかけ、
美女に化けては、国を傾け世を乱そうとしていた
白面金毛九尾の、不可思議な妖狐だったという。
80,000,053,760歳だった、なんて書いてある本もある。

そこに高徳の僧、玄翁和尚が通りかかり、事情を知って、
この石に「引導を渡す」ことになる。
すると、石が2つに割れて、狐の精が現れる。
この狐が身の上を懺悔した後、ありがたい供養を受けたので、
もう悪事はしないと誓って消え失せる、というストーリー。

これにちなんで、石を割るための大槌を玄翁と呼ぶようになり、
さらに広く、金槌の大きいのをそう呼ぶようになったようだ。


・・・さて、きょう書こうとしたのは、
小山清茂の「能面」を思い出したからである。
能の本をちらほら読みあさっているうちに、これを思い出した。

2、3年前に2、3度試しに練習してみた曲だけど、
やたら晦渋な上に、地味すぎて団員の受けがあまりよくなかった。
私自身も、能楽特有のパーカッションが入っていないので、
それが残念で、検討課題として保留にした。

学生時代に時々水道橋の能楽堂などへ能を見に行って、
驚いたのは、能の音楽の圧倒的な緊張感と高揚感だった。
そして、あのリズム感!!

あの「能面」の音楽の中に、能楽に一般的な、
鼓と締太鼓が作り出すリズムを入れたらもっとおもしろくなるだろう。。。
試しにやっていたときに考えたこの企画をしばらく忘れていて、
きょう、本をあさりながら思い出したのだった。


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