tdd diary

2006年03月07日(火) outside

フィリップ・シーモア・ホフマンはアカデミー賞の方も主演男優賞を受賞。これで「カポーティ」が日本公開されないってことはなさそうです。アカデミー賞は役者や制作者に与える影響が色々きっとあるでしょうから、好きな役者や監督とかが受賞して嬉しそうにしてると、良かったなあと思ったりもしますが、今回みたいに人種問題とか同性愛とか企業犯罪やテロ問題を扱った作品がこれ見よがしに並ぶと、そういう社会派の作品を取り上げる間口の広さがないわけでもないんです的な感じがかえって鬱陶しくも感じられたりする意地の悪い思いがちょっとあったりもします。

別に黒人の役者を認めないってわけじゃないです風な年や、別に同性愛を認めないってわけじゃないです風な年や、別にアジア系の制作者を認めないってわけじゃないです風な年があることは、とても意義のあることかもしれないですけど。そういう社会派の問題作を取り上げることに話題性があるってこと自体が、逆に閉鎖的な部分を明るみにしてるようでもあって、なにが言いたいのかよく分からなくなって来ましたが、「これまではタブーでしたが、そういうのやめようよ」みたいな姿勢を打ち出している時点ですでにもう20年くらい遅れてるんだってことを、もっと恥ずかしいと思っていかないと、そんなことを話題にしてるってことがもうすでに充分レベルが低いんだぞっていうのをどれくらいの人たちが自覚してんのかなあというのを思ったりします。社会問題を扱ってるから優れた作品とかじゃなくて、そんなのをタブーとするような次元の低いところから完全に離れたところで、本当に優れた映画に賞が送られればいいのにと思う。


とにもかくにも良かった良かった。


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hatori [mail]