| 2006年02月14日(火) |
just one victory |
新聞の夕刊にスピードスケートの男子500で金メダルをとったアメリカのジョーイ・チークという選手の記事が。レース後の会見で「メダルにいったいどんな意味があるのかと問いなおした。スケートは楽しいし愛しているが、正直なところタイツをはいて氷の上を滑り回ることに生涯を費やすなんて少し馬鹿げているとも思う。でも自分はスケートが速いおかげで寄付を集めたり世界の問題に注意を呼び掛けたりできる。大きなことを成し遂げたら、世の中のためになることをしたい」と言った。12年前のリレハンメルオリンピックで、スピードスケート3種目全てを世界新記録で金メダルをとったノルウェーのヨハン・オラフ・コス選手を見て憧れ、スピードスケートを始めたそう。コス選手はNGO活動を通じて災害や戦争で苦しむ子どもたちを助けていたことも14歳だったチーク選手の心に焼きつけられ、12年経ってトリノで憧れのヒーロー、コス選手に初めて会った。500メートルのレース前にもう1度会ってから会場に向かった。アメリカから出る金メダルの報奨金、約300万円は難民となったスーダンの子供のためにNGOに寄付し、自分も難民キャンプを訪ねるつもりだと会見でも話し、今大会でスケートは引退して大学に戻るつもりだと話した。
メダルをとる可能性のある日本人選手についてのニュースばかりで、うんざりしてしまいます。トリノで1番最初に観たノルディック複合では、6位、8位でゴールする選手も満足そうにガッツポーズで入って来ていました。メダルの有無やメダルの色、メディアや他人の評価よりも、選手が何に満足をして、何を思っているのかを観られたら、オリンピックは何倍も楽しく観れるだろうになあと思うんですけど、こういう選手個人の価値観も、金メダルをとった人でやっと垣間見れたストーリーかと思うと、ほど遠いんだろうなあと思ったり。3位と4位の何がそんなに違うのかとか、0、1秒の差が何なんだろうとか、それだけで大きな分かれ道になってしまうほど、本当はそんなに大きな違いはないんだろうと思う。国からやっと1人だけ、オリンピックに参加する選手を送りだし、国民みんなが誇りに思っているようなところもあるんだし。こういう時こそ百けん先生の南山寿(なんざんす)スピリットが大切だ。「メダルがなんざんす?」と、みんなが思って参加し、観戦したらいいんでしょうに。

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