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2008年11月26日(水) 横浜〜大坂

横浜で業界関係の展示会。3年ぶりぐらいに参加。あちこちで声をかけたりかけられたり、いつの間にかこの業界も知り合いが多くなってきたなぁと思う。よいのか悪いのか…。帰り方面が同じ人とずっとしゃべりながら帰ってきて、それはそれで楽しかった。不景気のせいかノベルティグッズは少な目。
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横浜行ってイルミネーションに彩られた船見たり観覧車みたりしつつも、気分は大阪、ではなく大坂。来年1月からのNHK土曜時代劇でドラマ化されるという、時代物ミステリー小説を読んでいた。お仲間うちで評判の築山桂さんの作。普段あまりミステリーは読まないが、『禁書売り』『北前船』(いずれも鳥影社刊)の2冊まとめて一気に読んだ。私自身、大阪は何かのついでに通り過ぎるところで、全然土地勘がないのだが、設定が緻密なのでわかる人には余計に楽しめるのだろうなぁ。
主役は若き日の緒方洪庵で、したたかな町人文化に翻弄されつつ学問にのめりこむ、秀才ながらドンくさい蘭学生の章。ひょんなことから男装の麗人とかかわりあいになり、さまざまな事件に巻き込まれていく。男装の麗人・左近を演じるのが栗山千明で、きっと見目麗しく凛々しい姿だろうなぁと想像しながら読むのは楽しい。左近は実は代々伝わる楽家の出で、ぽっと出の章とは住む世界が違うというのを、そこかしこで思い知らされるのだが、この左近のセリフがベルばらで育った世代にはオスカル的でいい感じ。一方NHKのサイトでも「ヘタレ」とはっきり表現されている章のほうは、コンプレックスの塊でもあるのだが、学問の道に生きる気持ちを吐露する描写とか、学問に明け暮れる毎日のなかでつかの間安らいだときの描写とか、はっとして、むむっと居住まいを正して読んでしまう部分がある。作者がまだ博士課程に在学中に出版され始めた作品というのとも関係あるのだろうか、ドラマでもこういう心の機微のようなところをじっくり描いて欲しいとも思うが、1回30分のドラマだし、そこまで描くのはちょっと難しいのだろうな。


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