WELLA
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2004年10月20日(水) そこにいてくれることです。

昨日購入したばかりのサハラに紅茶をつめて出かける。アールグレイとかハーブティとか香りの強いもののほうがありがたみがあるかも知れない思いつつ、中身はロンドンのお土産でもらったアッサム。職場について早速試してみる。当然のことながら熱々。思いがけず熱いお茶がのどに飛び込んできてあわてる。その後、ちびちびと飲み続けたがやはり半量以下になるととたんに保温力が鈍る。飲んでも飲んでも減らない仕組みはないものか。

さて、今日は皇后陛下の古希のお誕生日である。私は、何かのときに「典雅な親善外交」担当としての皇族がなかったら不便だなぁと思う程度の天皇制支持派だが、皇后陛下はいつも気にかかる存在である。好きとか憧れとかではなく、到底私にはまねのできない女性モデルとして尊敬の念を抱いている。周知のとおり、望まれて望まれて皇室入りしたが、もちろんご本人は苦悩につぐ苦悩であったことと拝察される。しかし、そういう立場になった以上はとことんその役を演じきり、いまやこの方なくて皇室は語れない圧倒的な存在感をかもし出している。そしてただその環境におとなしく従うだけでない。決して声高に主張することなく、子供を手元で養育したり、内親王を学習院以外の民間の幼稚園にいれたり、さまざまな変化を皇室にもたらした。何十年の月日をかけ、少しずつ自分の思う家族の姿に皇室のあり方を近づけるべく変革を実行してきた、意志の強さと秘められたしたたかさや激しさがある。特に名実ともに皇室のトップ女性となったここ数年のご活躍や発表されるお歌などに、それが現れている。
そしてこのスーパーウーマンから生まれた皇太子もまた苦悩の人である。皇后陛下同様、望んで皇族しかも天皇直系の長男に生まれたわけではないが、常に誠実に皇太子としての立場を歩んできた。そして「一生全力でお守りします」発言は、ただの育ちの良い世間とかけ離れたお方という世間のイメージをよい意味で大いに裏切った。結婚後も折に触れて夫婦仲むつまじい様子が報道され、さらに先だっての「人格否定」発言等、婚約時の約束はうそでなかったのだと、好感度はあがっているだろうと思う。少なくとも私は、皇后と皇太子のセルフコントロールの強さと、好きなものを率直に好きという気取りのなさに感じ入っている。

ところで、宮内庁Webページで今までの皇室の記者会見や文書回答などを読むことができる。「皇太子同妃両殿下ご成婚10年に際しての文書回答(平成15年) 」を読んだ。文書回答なので会見の緊張がないせいかお二人の率直な言葉が並んでいる。中でも印象的だった問答は、「お互いに感謝したい点,学んだ点,そして注文したい点」という問いに対して、皇太子の「(前略)感謝したい点は,まず,雅子がそこにいてくれることです。雅子がいてくれるだけで心が明るくなるのを感じます。(後略)」という答えがある。あまりのストレートさに、どきっとしてちょっと胸が熱くなる。が、同時に独身時代の心の闇を感じさせるものである。さらに続く注文点では「注文したい点は,余り無理をしないようにということかもしれません。大変まじめで忍耐強く,よく努力するので,少し気を抜けるように私も力添えができればと思います。とある。予兆はあったということだ。


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