WELLA
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1997年12月28日(日) 第4話 カトマンズ着

結局定刻1時間遅れで カトマンズ についた。
西へ西へと飛んできたため、ずっと夕日を向かっていた気がしていたが、さすがに、とっぷりと日はくれて、窓の外を見ると夜空を星がまたたいている。
着陸のアナウンスが流れる。
ネパールの時差は日本からはマイナス3時間15分とのことだ。分単位の時差は初めての体験である。機内アナウンスはネパール語、英語、日本語の順で流れるのだが、段々短くなっていく。英語と比べても日本語の時は随分省略されているようだ。非常事態になったらネパール語が分る人だけが助かるのではないか…。
飛行機はいきなりドスンと着陸した。操縦も大雑把である。ところで機内は眠るには少し寒く、毛布が配られないのはてっきり準備していないのかと思って諦めていたのだが、通路を歩きながら見ると毛布は私たちのいる席より前の列まで配られていたようであった。空席にもきちんとたたまれた毛布が置いてある。謎である。

一万円両替すると厚さ3cmぐらいの札束となって返ってきた。
使い残しのルピーは両替時のレシートがあれば、両替した金額を越えない範囲で 空港 内の両替所で再両替可能であるという。外貨の流出を防ぎたいのか。

入国審査を済ませて外に出ると、空気がひんやりとしていた。意外と寒くない。プリペイドタクシーというのがあるというので、それでホテルに行くことにする。用紙に名前などを記入して料金を払うと、係が タクシー まで連れていってくれた。すごいオンボロタクシーである。本当にこれに乗るのだろうか。それにしてもやたらと人がいる。躊躇していると、若い男がさっさと荷物をトランクに積み始めた。どうやらこれらしい。が、不安である。
車に乗ると、係が運転手にホテルの名前を告げ、紙を渡した。運転手はさっき荷物を積んだ男とは違う。不思議に思っているとさっきの男は車の外からチップを要求している。人差指と中指と親指をこすり合わせて「マネー、マネー」「ルピー、ドル、円」などと言っている。彼は勝手にポーターを買って出ては、ちゃっかりチップを頂戴する寸法らしい。きっぱりとはねつけるが、車の周囲はその男だけでなく、わけもわからない男たちが10人ほども取り囲んで大騒ぎである。そうこうしているうちに助手席には違う男が乗り込んでくる。
いったいどうなっているのだ…。

ともかくホテル名を確認して出発、と思いきや車は走り出さない。いや、力がなくて走り出せないのである。すると心得たように周囲の男たちが声をかけながら車を押す。どうもこれが当たり前のようだ。なんとか車が走り出すと、助手席の男が愛想よく話しかけてきた。
英語である。


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