おぼしきこと言はぬは腹ふくるるわざ
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2005年06月15日(水) 杉山正明『モンゴル帝国の興亡』上下読了

 本日は千葉県民の日で休み。
「おかあちゃ〜ん、県民の焼きビーフンにピーマンいれんといてな〜」←関西ローカルCMネタ

 とにもかくにも8時半に起床。玄米をがっつり食って外出。まずは銀行に立ち寄って市民税納付。ざまあみやがれこん畜生(←なんか怒っている)総武線に揺られて横浜へ。先日見そびれたルーブル展を見る。平日で雨天というのにけっこう混んでる。くそう。

 なんといっても最大のみものはアングルの「泉」。女性美を描いた画家としてはルネサンスの破戒僧・フィリッポ・リッピや北方ルネサンスの雄・クラナッハも捨てがたいが、最高傑作を一つ揚げろといわれれば私は迷わずこの絵を推す。この裸体のつややかでかつみずみずしい輝き・はじけるような肌の張りと触れればたふたふと指が潜り込んでいきそうな柔らかさはどうだろう。オルセーで見て以来5年ぶりに恋人に再会した気分で5回くらいは戻ってきて見返す。他にもアングルの作品としては「トルコ風呂」も来ているがやはり「泉」の前にはかすむ。

 古典派の大作としてはダヴィッドの「マラーの死」も来日。本来は病弱で全身が潰瘍に冒されていたはずのマーラーが(だから薬湯に浸かっているところを殺された)美しく、ローマ彫刻のような隆々とした肉体で描かれているところが古典主義たる所以か。

 ドラクロワも何点か来ているがそれほど感銘を覚えず。やはり彼は大作画家か。強いて言うなら「母虎と戯れる子虎」は虎にたくましさと母性愛を同居させることに成功していると思う。
 その他、常設展示でもセザンヌやブラックを堪能。
 
 午後からは旅行代理店めぐり。今年の旅行はギリシア・トルコの旅。
 10万1000円現金払いのみか13万8000円クレジットカードOKかの選択に迫られ後者をとる。ところがすでにかなり埋まっているらしく、7月16日発・シンガポールで1日トランジット・8月8日帰国の長旅になることが決定。
 なんとしても全旅費を30万で賄ってやることを決意。
 
 その後紀伊国屋書店へ。ついついトルコ関係の書籍を5000円買ってしまう。いい加減腹が減ったので外食をしたいが我慢我慢。帰宅後レバニラ炒めで夕食。これから一月は倹約第一。
 で、電車の中で読んだのが上述書上巻。「モンゴル帝国史を描くためには漢籍・ペルシャ語・トルコ語・モンゴル語が出来なきゃならないくどくどくど」という愚痴は杉山氏毎度のご愛嬌。
 やはり大家の文章だけあって行間からテムジンが、オゴタイが、ジュチが、フラグが、スブダイが、フビライが陽炎のように立ち上がってくる。暗殺教団イスマイール派とフラグの丁々発止のやり取りなんて誠に面白い。(ニザーム・アルムルクって暗殺教団に殺られてたのね初めて知った)その反面、賢臣・耶律楚材やマムルーク朝最高のスルタン・バイバルスのイメージが下方修正されたのも確か。
 夕食後下巻に取り組む。
「英雄」でも「天才」でもない「巨大なる凡人」フビライによって計画・建設された大元帝国とその縮図たる帝都・大都の設計には目を見張らせるものがある。運河を都市内まで引き入れ、外洋と結びつけてまで「陸の帝国」モンゴル帝国を海上帝国へ変貌させようとしたエネルギーはなんだったのか。
また、フビライの治世に30年にわたって抵抗を続けたハイドゥの乱の原動力を、「大改革者」フビライの辣腕についていけなくなったモンゴル将兵がハイドゥの陣営を逃げ場にしていた、つまりハイドゥの乱を支え続けたのはフビライ自身だ、という解釈は面白い。

今日の一行知識
○モンゴル軍の軍馬は現在の規格ではポニーにあたる。


べっきぃ