おぼしきこと言はぬは腹ふくるるわざ
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| 2004年10月31日(日) |
久しぶりにイラク問題を考える。 |
『デカレン』観る。今回の話はマダムキラー・宝治の主演話。ちょいと奥様方に媚びすぎていると思わなくとも無いが、刑事もんの定番話をうまいことリスペクトしてきて「まあ一回くらいいいか」という気になる。 前に『デカレン』は戦隊もの25年の歴史から何の臆面もなく成功した話を取り出してくるところが面白い、といったが更に彼らが「刑事」だということで刑事もの30年の歴史から成功した話をいくらでも引き釣り出せる強みを持っている(先々週のジャスミンとチョーさんの話もそうだったけど)その点ウルトラマンとは好対照。 「確かに陳腐といえば陳腐だがなぜ陳腐といえばよく使われるからで、なぜ良く使われるかというとそれだけ有効だからだよ」BYヤン・ウェンリー
その後、サンデープロジェクトみているとイラクの人質幸田君の遺体の指紋が照合されました。とても「利口」と呼べる人ではなかったけど何はともあれ合掌。 ネットをみていると「半島の人は最後まで泣き喚いていたけど彼は最後は粛然と最後を迎えていた」と頓珍漢もはなはだしい「日本人えらい・半島人おろか」論を展開している人がいたが、「半島の人」は業務命令でいやいやいかされたのだ。好き好んでいった日本人と比較になるか。この春の一件を知ってて「観光」にいった彼のこと、最低限の「覚悟」はあっただろう。(滅茶甘い覚悟だったわけだが)
さておちついて。 人質問題については、個人としてできることは「君子危うきに近寄らず」の原則を貫き通すということ以外に無いと思うわけです。で、問題は「危うき」場所の範囲が(地理的にも秩序の上でも)今後の政府の対応で変わる恐れがある、ということです。 わしがいいたいのは「日本政府が人質に屈することがあれば最後、日本人が大手を振っていける他所の国は無くなるよ」ということである。 その一方で自衛隊による強攻策は禁止というルール。この二つを矛盾せず解決させることの重大性を今の政治家はどれだけ考えているのかな、ということ。 「覚悟」云々というなら私自身が政府要人に問いたい。特に亀井静香。彼は「イラク派遣中の自衛隊員に事件を解決させろ。これは「緊急避難」だ」といっていました。技術上の問題はさておき、(そんな余分な戦闘装備持ってたらそれこそ問題だ。計画犯だよ)もしこのことが実施された場合、彼の一言は「緊急避難」の前例が無い以上、後世「自衛隊の海外戦闘」という先例の端緒となる。政治家の発言は死んでも後世に残ります。彼には自分の名が歴史書に牟田口廉也(柳条湖事変において安易に現地部隊に応戦を命じ、紛争の拡大を許可した指揮官)並の悪名として書かれる覚悟は出来ているのでしょうか。ないだろうけど。
これはイラクだけではなく、日本の外交方針が米国追従を基本としている限り、そして米国の世界戦略が今後このとおりである限り、いくらでも似たようなケースが起こり得ます。プーチンが何で人質巻き込んでまでテロ退治しているか考えて見ましょう。(あれが最善の策とは思わないけど)さもなきゃおちおち東京すら歩けなくなる。 異国を旅行する限り誰もがわが身を自分で守る覚悟は必要。私はバックパッカーが趣味なのですが、危険から身を守ることも海外旅行の「楽しみ」(誤解されそうですが)と思っています。ですが財布をねらうスリから身を守ることはともかく、テロ組織から身を守らなくならないようなら旅行は取り止めます。今回の政府判断は一つ誤れば、日本人全員が「スリのカモ」から「テロのカモ」に昇格?する危険をはらんでいるのだが。
で、夕方から久方ぶりにアイルランド時代の同僚と食事。色々と会ったようだが性格的には全然変わってないようでいいのか悪いのか。
べっきぃ
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