無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2006年11月22日(水) 蠣・蠣・蠣!/DVD『ウエスト・サイド物語』

 11.22.で「いい夫婦の日」なんだって。
ネコの日とかイヌの日とか、語呂合わせかなんかで勝手に記念日が作られる「流行」がいつから始まったのかはよく分からないけれども、私には何が面白いのかも実はよく分からない。
語呂合わせとか言うとまだ聞こえはいいけれど、要するに駄洒落であって、つまりはオヤジギャグじゃんねー。
「日常にユーモアを」というスローガンなのかもしれないけれども、笑いを強制されたって、別にたのしかねーや、と言うか、家庭崩壊してる夫婦だったりすると、「何がいい夫婦の日だ。けっ」と舌打ちするだろうね。
 ま、夫婦崩壊してる家庭のことを別に慮ってやる必要もないんだけれど。いったいこんなの、誰が決めてるんだ、と思って調べてみたら、財団法人余暇開発センター〈現(財)社会経済生産性本部〉というところだそうな。
 で、どういう組織よ。胡散臭いところにうまいこと乗せられてるんとちゃうかねー。


仕事を引けて、博多駅の「GAMERS」と「紀伊国屋」で、本やDVDを買い込む。
DVDは『涼宮ハルヒの憂鬱』4、5巻と、『ウェスト・サイド物語』、『機動戦士Zガンダム�掘\韻慮歹阿楼Α戞�
ほかにも『トップをねらえ2』や『蟲師』、『幽霊男』(金田一耕助役は河津清三郎!)や『吸血蛾』(金田一耕助は池部良!)など、取り起きのDVDは多いのだが、いっぺんに全部買う財力はない。
ボーナス出るまで、ガマン、ガマン。


午後8時から、呉服町のSGcafeで、突発蠣パーティー。
経緯は詳しくは知らないのだけれども、VARRYのおシゲさんが、北九州だったか行橋だったかから、蠣を5キロばかり届けてくれたとかで、大パーティーを開くことになったのである。
最初は数人、とかいう話であったはずなのに、当日になったらどこからウワサを聞きつけてきたものか、20人からの人間が、狭い店内にひしめいた。
席が足りずに、立ち食いする人が続出、実質、立食パーティーになったが、それで2時間以上も平気な人もいるのだから、食い気たっぷりな人間というものは恐ろしい。
蠣を見ながら「いい景色だ」とでも呟いてみたい衝動に駆られたが、どうせ誰にも何のことだか分からないから言わない(笑)。
初めは牡蠣フライ。蠣を嫌いな人はあの生臭さがイヤだと仰るが、それは全くない。程よく揚がってサクサクしたコロモの中から、ぷりっとした食感の蠣がとろりと舌の上に乗ってくる。これは美味い。
続いて出される焼き蠣、網の上で蠣がしょっちゅう爆発するして、女の子たちが「キャッ」と悲鳴を上げるのも楽しい。材料提供者のおシゲさんは「欲を言えば炭火で焼ければねえ」と仰るが、ガスコンロでも充分。ついつい、七つ、八つと食べてしまう。それだけ食べても、まだ余るくらい蠣は大量にあるのだ。
蠣鍋と鍋雑炊はもう、欠食児童が群がるようで、あっという間になくなってしまった。これだけたらふく食べたら、いかにカロリーの低い蠣とは言え、食いすぎであるのは間違いない。
まあ、明日から節制すれば何とかならあな。……って。忘年会シーズンにそんなこと言って大丈夫なのかね。

 帰りに「ドン・キホーテ福岡空港南店」で、安売りDVDがあったので、『オペレッタ狸御殿』と『69』を買う。2枚で3000円。元値が10000円近いから、バカ安である。なんかインチキやってないかドン・キホーテ。



DVD『ウェストサイド物語 スペシャル・エディション』。

 特典ディスク二枚組のスベシャル・エディションDVDがわずか2000円というのは安い。
日本映画やアニメもこれくらい太っ腹になってくれると嬉しいんだけど、購買力が違うから仕方ないかもね。
映画については今更くだくだしく説明するまでもない。
けれども、「スタジオミュージカル映画を屋外に開放した」との惹句が必ずしも正しくはないことは、結構セットシーンも多用されていることで分かる。そういう評判が立つのも、やはりポスターにも描かれたあのジョージ・チャキリスの片足上げバンザイポーズのイメージが強烈だからだろう(余談だけれども、マンガ『サイボーグ009』で、002・ジェット・リンクが初登場するコマでも、彼はこのチャキリスポーズを取っている)。
戦争映画やSF、サスペンスやホラーなど、実際にはあらゆるジャンルの映画を製作してきたロバート・ワイズ監督だが、代表作はと言われると、どうしても『サウンド・オブ・ミュージック』とこの『ウェスト・サイド物語』ということになってしまう(SFファンとしては『地球が静止する日』を挙げたいところだが。『スター・トレック』? 何それ?)。
しかし、『ロミオとジュリエット』を下敷きとしたこの物語、ドラマとしては他愛なく、正直、大人の鑑賞に耐えるほどのものではない。
やはり見所はレナード・バーンスタイン作曲のミュージカル・ナンバーにあるので、映画としての躍動感は、テーマソングと言える『トゥナイト』よりも、群舞の魅力に溢れる『アメリカ』や『クール』の方が勝っている。クローズ・アップが映画の魅力の本質であるとすれば、ナタリー・ウッドとリチャード・ベイマーのカップル二人の見詰め合いよりも群舞の方に軍配が上がっているということは、映画の敗北を意味しているとは言えまいか。
つまり、『ウェスト・サイド』は、舞台で見たほうが面白い、ということになるのだ。
もちろん、これは本場のブロードウェイ・ミュージカルで、という意味であって、間違っても短足胴長な日本人拝優によるエセ・ミュージカルなどではない。

しかし、名作の誉れが高いにも関わらず、この映画に出演した俳優たちは、リタ・モレノを除いて、殆どが不遇の人生を送っている。
ジョージ・チャキリス、ラス・タンブリン、リチャード・ベイマーらは泣かず飛ばずだし(タンブリンが『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』に、チャキリスが『日本の面影』にと、日本に関わっているのが面白い)、ナタリー・ウッドは恐らく夫であるロバート・ワグナーに殺害されている。
リアルに作ればかなりシリアスで救いようのない物語になるはずのものをミュージカル仕立てにすることにどういう意図があるのか、制作陣は多分、あまり深くは考えていないだろう。映画が描ききれなかった不運と悲惨の物語を、俳優たちはまるで、実人生で再現して見せてくれているようである。

2004年11月22日(月) 『ハウルの動く城』動く!/夏目義徳『クロザクロ』1巻
2002年11月22日(金) 最上の味と最低の映画/映画『恋に唄えば』/『ブラックジャックによろしく』3巻(佐藤秀峰)
2001年11月22日(木) 親の死にメよりアニメ/アニメ『ナジカ電撃作戦』MISSION 007/『MISTERジパング』7巻(椎名高志)ほか
2000年11月22日(水) 今日は眠かった……イツモのことだけど/『ルパン三世カルト2001』ほか



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