無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年07月18日(日) 史上サイテイの映画( ̄△ ̄#)

 今日は練習に参加する予定だったのだが、カトウ君がお休みということなので、結局は出かけず。溜まった日記の更新にいそしむ。
 昨日しげにサルベージさせたデータであったが、名前を変えて保存しやがったおかげで、やっぱりホームページビルダーでは更新ができない。これからは更新するときは1ページ1ページ、新たに作りなおすしか方法がなさそうである。とりあえず、ホームページの表紙に、志免炭坑竪坑櫓の写真をアップ。


 夕方から練習に合流。
 今日の出席者は、鴉丸嬢、其ノ他君、桜雅嬢(ラブ吉っつぁん)、しげ。ちょうどしげが「とうちゃんはセリフだいたい覚えたぞ、ほたる」(まだクニエをやってるのである)と鴉丸嬢を苛めていたところであった。
 前々から其ノ他君に頼まれていた『モンティ・パイソン』のDVDボックス二つを持って来てお貸しする。テレビシリーズを何本か見て、全部見たがっていたのだが、これだけでもDVD15枚分あるのだが、全部見切れるのだろうか。さらに貸してないDVDがまだ7枚残ってるのだが、さて、そこまで辿りつけるかどうか。がんばっていただきたいものである。
 鴉丸嬢には、イラストを描いてもらうために『ドグラ・マグラ』『火星の女』『ユメノ銀河』の夢野久作映画3本立て。「『鬼畜』とかより、こっちのほうが描きやすい」とのたまわれる。普通は逆なんだけど、歴戦のツワモノは違うのである(^_^;)。絵柄は別に役者に似せなくても自分のキャラでいい、とお願いしてあるので、どんなイラストがあがってくるか楽しみである。トップページの表紙絵も頼んまっせ。『O嬢の物語』(コリンヌ・クレリー版)のビデオも頼まれていたのだが、こちらは持って来るのを忘れた。
 ……っと、こんなことまで書いてたら、「O嬢」とかで検索かけてくる客が覗きに来ちゃうじゃないか。いや、えっちな話題はほぼありませんので、あまり期待なされないように。鴉丸嬢のイラストが掲載されたときにはえっち度が30%増になると思います(^o^)。
 桜雅嬢が『ドグラ・マグラ』のパッケージを見ながら「グロいのは苦手」とか言ってたが、あれだけエロなのが好きなのに、そんなこと言うとは、彼女にとってのエロはやっぱりファンタジーなのであろう。


 車をいったん、東比恵の駐車場に置いて、映画を見に天神まで地下鉄で。
 福家書店で本を買いこみ、ロッテリアでハンバーガーを食べて、時間を潰す。
 9時から天神東宝で『スチームボーイ』。大ホールは『スパイダーマン2』の上映に使われていて、こちらは小ホールの方の上映。期待されてないことが一目瞭然である。
 しかも一昨日公開されたばかりだというのに、客は半分も埋まっていない。客層はだいたいオタクっぽいのが単独かグループか、カップルがチラホラ、オジサンがあとちょっと。あまり「広がり」はない。今日の客入りだけで即断はできないが、そこそこヒットはすると思うけれど、大ヒットとまではいかない印象だ。
 予告編で、いよいよ『ゴジラ FINAL WARS』が紹介されたが、まだ怪獣たちの姿は見せず、役者たちのアクションシーンばかりのクリップ。これだけ見てると、いつもの北村龍平映画で、「ゴジラ映画」って感じが全くしない。半可通なオタクは見る前から既に貶しまくっているが、これを見てまたピーチクパーチクかしがましく囀ることであろう。まあ、これまで「期待しないで見に行ったほうがまだしも傷は浅い」ってことを散々学習してきた結果なんだけれども。映画『ドラえもん』が来年お休みの告知もあり。
 何と言っても『ハウルの動く城』の映像が素晴らしい。飛行シーンが評価されることの多い宮崎監督であるが、それもアニメーションで「奥行き」を表現する技術が群を抜いているからこそである。城から俯瞰で見た谷底のあの深さ! 私はその画面だけで大感動してしまったが、しげは「宮崎さんならそれくらい描けて当然」とヒトコトで切って捨てた。要求されるレベルが既に最高、というのはなかなかツライことである。
 それに比べりゃいいよなあ、ゴジラ映画の監督は。ちょっとマシなの作れば大絶賛されることは疑いなしである。

 さて、全く期待しないで見に行けばそれなりに見られるかと思った『スチームボーイ』であったが、大友克洋作品(脚本等も含む)中、一、二を争うほどの不出来であった(ーー;)。いや、もともと大友アニメで出来がよかったのなんて殆どない。『工事中止命令』『老人Z』『最臭兵器』あたりがちょっといいくらいで、『AKIRA』だの『スプリガン』だの『メトロポリス』だのを見ていると、この人はドラマにおけるキャラクター造形がいかなるものなのか、根本的に分かってないのだ、と断定せざるを得ない。
 ……てゆーかー、所詮Dr.オートモだしぃ、ロクなのになりゃしないってことくらいー、分かってたんだけどー、いちおー、見てみないとー、文句は言えないなーって思ってー、行ったんだけどー、サイテー? ってゆーかー、才能ないヤツ、田舎に帰れってゆーかー、こんなにつまんない映画見たの、初めてかなーってー。
 ……いかん、どんどんアタマが馬鹿になるのである。貶し出したらキリがないので、簡単に言っちゃうけど、「陳腐」で「馬鹿」。時間とカネと枚数かけただけであとはスカスカである。劇団ホームページのほうの日記にも書いたが、「ともかく、友達にからかわれただけで鉄のプラグでアタマ殴りつけるような既知外ヒーロー(長崎11歳少女か)や、タカビーで自分のペットを虐待して平然としてる人格崩壊ヒロインに感情移入しろって方がムリ」なのである。そういうのは四畳半マンガ描いてたころの大友マンガの名残りだけど、その時の気分で冒険活劇書くなよ。キャラとドラマが合ってねえんだって。
 テーマも「科学の進歩は人類に幸福をもたらすのか?」という古色蒼然としたものだが、それを「新しく」見せる技術がないから、とことん画面が「沈んで」いくのだ。歯切れは悪いし、エロアニメよりよっぽど子供の情操教育に悪いわ。
 ……おっといかん、書き過ぎた。もうあとはコンテンツの方で思いきり貶そう(^_^;)。
 1円でも金を払って見るだけ損だと思うが、ともかく、どうしても見るっていうなら止めはしない。ただ、レンタルDVDかテレビで流れるのを待って、ヒマツブシに煎餅食いながら屁こいて見るので充分だから、おーともさんと心中したい、あるいは1800円をドブに捨ててコンクリートで埋め立てて、アスファルト敷くことになっても構わないってマゾヒスト以外は、そうしたほうがいいということだけ忠告しておきます。
 ……ここまで貶しておけば、かえって見てみたくなる人も少しは出るだろうな。さあ、私と一緒に不幸になりなさい。

 見たくもない映画を見せられて、しげの機嫌が頗る悪い。悪すぎて、すっかり「クニエ」を忘れてしまっている。「なんでこんなに早く来るの? そんなに大友が好き?」と絡むこと絡むこと。全く、針のムシロである。
 帰宅してネットを覗いてみたら、既に続編製作が決定したそうな。……何が受けるか分かんない世の中だしねー。クソでも食いたい人もいるだろうから、何を作ろうが構わないけどねー。せめて芳香剤くらいは置いといてよ(T∇T)。


 マンガ家、鈴木義司氏が昨17日、悪性リンパ腫のため死去。享年75。
 読売新聞夕刊の『サンワリ君』は30年以上に渡って連載されていたそうだが、そのあまりのツマラナサは、一時期マンガマニアたちに異常に“持ち上げられて”いた。つまり「ここまでつまらないマンガが描けるのはスゴイ!」という“評価”である。そういう評価の仕方はかえって一種のスノビズムに陥っているようで、私はあまり好きではないのだが、実際、鈴木さんのマンガのどこをどう面白がればいいのか分からない、という事実は確かにその通りであった。
 いや、どれほどつまらないか、紹介したいところだが、あまりにつまらなすぎて、殆ど記憶に残っていない。軽く千本、二千本は読んでいるはずだが、どんなネタだったか、ただの一本もとっさに出てこないのである。それどころか、その日読んだマンガでさえ、数時間後には忘れてしまうくらいに何一つ引っかかるものがない。
 新聞をあさって探し出してみた、おそらくはこれが遺作と思われる2004年7月2日(金)の11240回(翌日から休載)の『サンワリ君』はこういう4コマである。

 1、波止場で釣りをしているオジサンにサンワリくんが声をかける。
 「小学生のころ 海で釣りしたことあるなァ」
 2、サンワリくんの独り言。
 「海は心のふるさと」
 3、続けてサンワリ君の独り言。
 「そうだ こどものころ歌った歌を思い出した」
 4、歌うサンワリくん。
 「♪うさぎ 追いし かの山♪」
 驚くオジサン。
 「海の歌じゃないのか」
 
 「これはどこがどう面白いかと言うと」と林家三平師匠を呼んできて解説して頂きたいところだが、残念なことに師匠も既に故人である。
 ともかく何もない。サンワリくんがただの勘違いで「山の歌」を歌っているのか、ワザと間違えているのか、そのいずれとも判別しがたいが、だからそれが何? という内容である。海なのに山の歌を思いだした、でもそれはギャグかユーモアか、そのどちらでもないのではないか。では何か。ポン、と膝を打つようなウィットでもなければ、ほのぼのとした味わいでもない。ペーソスやサタイアでは絶対にない。ほかの回ではサタイア的なものはあったかもしれないが、それも殆どヒネリというものがなかったような気がする。ともかく覚えてないから、コメントのしようがない。
 これがつまらないダジャレや、下品なオヤジギャグなら、脱力したり腹を立てたり、何らかの形で記憶に残るだろうが、そういうトンガッたところが全くない。まるで、ただひたすら波もなく水平線だけが続いているようだ。古いと言えば古いのだが、かと言って。古臭くて読むにたえないわけではない。
 考えてみたら、『お笑いマンガ道場』で拝見していた氏のお姿も、マンガ家のイメージとは程遠い“フツー”の人であった。“怒れるブルドッグ”富永一朗氏を「貧乏」とからかい、しょっちゅう土管に寝泊りさせたり、乞食をさせたり、逆に自分は豪邸に住んでいるとするマンガを描いていた氏であったが、それが氏の唯一の「毒」であり、またその程度のものでしかなかった。
 細い目を開きも細めもせず、ニコニコ笑っている氏は、だからと言って人格者に見えていたわけでもなく、また逆に悪意ある人にも見えなかった。“飄々”と評するのは妥当だろうか、確かにそんな感じもなくはないが、風にさすらっているような雰囲気はない。でも仙人や地蔵のように悟っている感じもない。聖でもなければ俗でもなかったのだ。
 結論付ければ正体不明。本当に、いったいどんな人だったのだろう? 「鈴木義司がそこにいる」、そうとしか表現のしようがないようである。そういう意味ではやはり「惜しい人をなくした」と言えようか。


 読んだ本。
 マンガ、遠藤淑子『退引町お騒がせ界隈』1巻、『王室スキャンダル騒動』(いずれも白泉社文庫版)。いや、『スチームボーイ』ショックが強すぎて、早々と寝たもんで。

2003年07月18日(金) 「よろしかったでしょうか」の謎/映画『ソラリス』/『ウエスト・ウイング』(エドワード・ゴーリー)
2002年07月18日(木) 芸能界の宿便/『名探偵コナン』38巻(青山剛昌)ほか
2001年07月18日(水) 夏到来! ……って暑いだけだって/『夢の温度』(南Q太)ほか



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