無責任賛歌
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2004年07月17日(土) |
私の私の妻っはぁ……クニエだよ(ーー;)。 |
しげが病院の診断で、「乖離症」という名前を貰ったことは既に述べた(ということは、京極夏彦のあの小説に出てくるあの人も「乖離症」なわけだな)。 診断は受けても、あまり状況は改善されてなくて、しげは相変わらず家事は全くやらない。「毎週ン千円も払うのってもったいないかなあ」としょっちゅうボヤいていたのだが、だったら家事すりゃいいのである。なんだか病名が付いてから、かえって病気に甘え始めた気がするぞ。 昨日、しげは病院で正式に身障者申請をすることにしたそうである。身障者にも等級があるので、何級になるかはまだ分からないのだが、映画料金とか少しは安くなるかもしれない。私も視力のことがあるから、二人で申請すれば身障者夫婦ということになるのだが、私の場合は「映画なんて見ちゃいかーん!」と墓穴掘りになっちゃう可能性もなきにしもあらず、それが怖くて、申請しにくいのである。大画面の映画館でも、前から4番目くらいでないと、最近は細かいところがわかんなくなってきてるのだけれども。
しげは今週の初め頃から何を思ったのか突然『北の国から』の「田中邦衛」の口真似を始めて、日常会話もずっと田中邦衛、私のことを「ジュン」と呼んだりして、それがもう一週間も続いている。 きっかけは、今度の芝居のキャラクターを演じるのに、私が「もっと鼻にかかった感じで」と指示したところ、何を勘違いしたのかそれが「田中邦衛」になってしまったものようだ。……別に田中邦衛は鼻にかかった喋り方はしてなかったと思うがな。というか、しげ独特のイントネーションで変質してしまったそれは、既に田中邦衛でもなんでもない。謎の変質者である。 「じゅん、今゜日はどこ゜に行く゜か゜? 父さん、コバラか゜すいたぞ。スシでも食いにいくか゜?」 こんな父さん要らない(~_~;)。それになにかヘマなことを言うたびに、「だか゜らおれたち、富良野なんだ」と、意味不明な地方差別発言を繰り返す。鬱陶しくて仕方がないのだが、一度ハマってしまうと、すぐにはもとに戻せないらしい。全く、難儀なことである。 私が田中邦衛の口マネをすると、これはどうしても「青大将」か「若者たち」か「次元大介」か「等々力警部」をこき混ぜた感じになってしまうのだが、かつてはコメディ・リリーフとしての役柄こそが「田中邦衛」のスタンダードであったものが(だからこそ喜劇ファンの間で小林信彦の『唐獅子株式会社』を映画化するなら田中邦衛を配役し、という仮想キャストもよく組まれていたのである)、『北の国から』という、田中邦衛のキャリアの中では重要ではあっても決して上等とは言いがたい黒板五郎役が、彼を語る唯一のタームになってしまっている現状は、残念としか言いようがない。
こないだ「シーメイト」で撮った志免炭坑竪坑櫓跡の写真を表紙にアップしようと思ったら、ページが全く開かない。「データがありません」というので、そんな馬鹿な、とフォルダを調べてみたら、確かにデータを入れていたはずのものがきれいサッパリ消えてしまっている。残っているのは「ねこ画像」と題した私の知らないフォルダだけ。もしやウィルスにやられたか、と一瞬考えたが、ウチのパソコンでトラブルが起きたときには(というよりは家内のトラブルの大半は)しげの仕業であるのが常である。 昔は私が「お前、何かやったか?」と問い質すと、「なんですぐ疑うん!」とヒステリーを起こしていたしげであったが、あとになって、実際にしげが無意識のうちにやっちゃってたことがバレるのがしょっちゅうだったので、最近はあまりヒスを起こさなくなった。少しは自分のことが分かってきたようだが、だからと言って改善されるものでもないのである。 しげに、「お前、俺のパソコンいじったか?」と聞いたら、「動作が遅かったから、要らないデータ、捨てたよ」と言う。 「要るデータ捨ててんだよ!」 「ええ? 捨てた覚えないよ!?」 「覚えがなくてもやってるの! だから無意識のうちにやるな!」 ……ちなみにこのへんの会話も、しげは「田中邦衛」でやっているのである。脱力しているので怒る気にもならない。 ともかく、責任を取らせて、丸一日かけてデータを復旧させる。おかげで、更新しようと思ってた記事も日記も今日はろくろく進められなかった。
今日見たDVD『マルクス兄弟 オペラは踊る』をレナード・マーティンのコメンタリー付きで。余計な分析をせずにウラ話を説明してくれるのが有り難い。マルクスも全映画にコメント付けたいくらいだけれど、これくらい説明すればするほどその魅力をかえって減じさせかねないものもないのである。“喋る悪意”グルーチョ・マルクスの魅力を本気で味わいたい方は、ある程度は英語のヒアリングができること。 あと、通販で手に入れた三谷幸喜の『バッド・ニュース・グッド・タイミング』を、これも三谷幸喜・生瀬勝久・八嶋智人のコメンタリーで。最初に八嶋さんを知ったのはこの芝居からだった。八嶋さんは面白いことは面白いんだけれど、オーバーアクトで、見苦しいのが難。コメンタリーでも伊東四朗さんから「ぼくが若いころ八嶋君みたいにからだが動いたかなあ」と言われて誉められた、とご本人は喜んでいたが、これ、「抑えが効かない」という皮肉だよ(~_~;)。三谷さんもそうしょっちゅう注意してるんだけれど、この人の口調ではホントのことを言っても「マジメでツマラナイ冗談」にしか聞こえないのであまり効果はなさそうである。
「ロイヤルホスト」の割引券がハガキで届いていたので、夕方から買い物を兼ねてパピヨンプラザまで出かける。 「ロイヤルホームセンター」で新しいカメの浮き島を購入。 前のやつはやや大き過ぎて、亀が息を吸うときのジャマになってる感じだったので、小さめのを買うことにしたのだ。前のはまた亀が大きくなったときに使えばいいだろう。そのときにはケースももっと大きなのに換えなければなるまいが。あと活性炭入りの「タートルボール」とやらも一緒に買う。脱臭とカメの遊びの両方に使えれば、ということで買ったのだが、しげがやっぱり「なんでそこまでカメに」という目で睨むので、「カメの飛び込み台」は買うのを諦める。 しかし、ホントにいろんなグッズ売ってるんだなあ。
「ブック・オフ」で中古のDVDをいくつか買ったあと、ロイヤルホストで夏のカレーフェアのホタテカレーを食べる。しげはエビフライ定食だったが、「カキフライは要らないから」と私にくれる。ところが、これが一口齧ってみるとカニクリームコロッケ。 「カキフライじゃないよ?」 と言うと、「あ、間違えた」と言って取り返された。せこい。 こんなに食い意地が張ってるから、しげはいつまで経ってもダイエットできないのである。 読んだ本。 山田風太郎『忍法帖短編全集3 忍法破倭兵状』。映画『コント55号 俺は忍者の孫の孫』の原作となった『忍法相伝73』の原型短編『忍法相伝64』を初収録。本作を毛嫌いしていた山田風太郎が亡くならなければ、この収録もなかったわけで、複雑な心境である。でも確かに山田風太郎にしてはピントのずれた不出来な作品。 マンガ、野中英次『魁!クロマティ高校』10巻。しげが、見返しの作者コメントで「10巻記念で引越しができた。でも前のアパートより狭い」とあったのにえらく受けていた。長編シリーズに“逃げて”いるあたり、明らかにネタ切れなのだが、もともと微妙につまらない面白さ(としか表現のしようがない)が本作のウリであるせいで、レベルダウンしているようには見えないのである。これって強みか弱みか。 倉田真由美『だめんずうぉ〜か〜』7巻。よしよし、まだ続いているぞ。子育てがんばって。 森下裕美『COMAGOMA』6巻(完結)。また10年経ったら復活してほしい。
2003年07月17日(木) 本能に逆らえないやつっているのな/『なんてっ探偵▽アイドル』13巻(北崎拓) 2002年07月17日(水) それさえも平穏な日々/『脱ゴーマニズム宣言』(上杉聰)/『潜水艦スーパー99』(松本零士)ほか 2001年07月17日(火) 何年ぶりかの酒の味/『水木しげる貸本漫画傑作選 悪魔くん』上下巻
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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