無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2003年01月29日(水) 雪がとっても白いから/『あひるの王子さま』5巻(森永あい)

 夕べから冷えこんでいたので、さて、雪でも積もってたら厄介だな、と思って外を見てみたのが朝の5時頃。寒くて目が覚めてしまったのである。
 でも外は別に地面が白いというほどでもなく、ヤレヤレ、とヒト安心した。
 ところが7時を過ぎるころ、しげが外を覗いて「積もっとうよ!」。
 ……わずか2時間ほどの間に積もったのか、それとも未明の私は眼がどうかしてたのか。
 どっちにしろ、雪が降ってるとしげは怖がって職場まで送ってくれない。
 仕方なく、タクシーで出勤。今年は珍しくしょっちゅう雪が積もる。

 タクシーの運ちゃんとの他愛のない会話。
 運「今年は珍しく雪が積もりますねえ」
 私「最近にしちゃ珍しいですねえ」
 運「最近は2年にいっぺんも積もればいい方でしょう」
 私「2年前にはちょっと積もりましたけどね」
 運「そうでしたかねえ」
 私「坂道が滑って車が登れなくて大変でしたよ」
 運「私らが子供のころには毎年のように積もってましたがねえ」
 私「雪合戦とかしてましたねえ。雪だるまも必ず作ってました」
 運「やってましたねえ」
 私「このトシになると、雪なんて鬱陶しいだけでしょう」
 運「そうでもないですよ、やっぱリ子供に返って雪だるま作ってみたくなるとき、ありますよ」

 ふと、思い出した。
 私が雪だるまを最後に作ったのは、多分、高校生のときである。
 ウチの店の真正面に、飾りのつもりで作っておいた。
 そこへ通りかかった小学生が、急に「ええい! ええい!」と叫んで、手に持っていたカサで雪だるまを殴り出したのである。
 私は外に出て、子供を「コラッ!」と叱った。
 子供はビックリしてピョン、と飛びあがり、向こうへ逃げて行った。だが、しばらくして立ち止まり、不思議そうにこちらを振り返った。
 「なぜ自分が叱られたかわからない」、そんな顔だった。

 ムシャクシャして道端の壁やらポストやら地蔵やらを蹴飛ばすオトナも世の中にはいるし、こういう子供も決して珍しくはないのかもしれない。
 ただ、私には道端に作ってある「雪だるまを壊す」という発想が昔も今もない(そう言えば道端のものを蹴ったりした経験も全くないな)。目鼻が落ちてた雪だるまを直してやった経験ならある。
 あの時の子供の行為は、ちょっと蹴飛ばすなんて程度ではなかった。
 よっぽど腹に据えかねたことでもあったのか、いきなり傘を振り上げ、骨も折れんばかりに雪だるまを殴りつけていた。
 そこは往来だし、歩いている人もいた。店のガラス戸から外は丸見えだから、ちょっと中を覗けば、私の存在にも気づいたはずである。
 だが、彼には眼の前の「壊すべき」雪だるま以外には何も見えていなかった。興奮して明らかに我を忘れていたのである。
 なぜ、彼は大声を張り上げ、あそこまで雪だるまに自らの憎しみをぶつけなければならなかったのだろう?
 私の眼からは、あの時の子供はやはりどこかが狂っていたのではないか、としか思えない。キレる子供なんてのは、別にここ最近になって生まれてきたわけではない。確実に、昔から、どこにでもいた。
 私だって、決して精神が常に安定していたわけではない。雪だるまを壊しこそしなかったが、「別の何か」を壊してきていたのかもしれないのだ。
 ただ、それは自分自身には決して見えない。見えないから狂っていられるのだ。
 私は何を壊してきたのだろうか。
 あの時の子供のように、私は今もなお狂ったまま、キョトンとしているだけだ。

 桜は人を狂わせるっていうけど、雪にもちょっとそんなところがあるのかな。……って、だったら北の方に住んでる人はやたら狂っちゃうじゃんかよ(^_^;)。

 帰りはさすがに雪も溶けた。
 しげも駐車場まで来てくれたので、ホッとする。
 暖かいものが食べたいようにも思ったが、うどん屋の類にしげはあまり行きたがらない。マルショクで弁当や焼鳥を買って帰る。


 しげに、円谷君からメールが送られてきて、「今回の演出を降りる」とのこと。
 やっぱリケツ割ったか、とは思ったが、一応、「理由はなんて言って来たん?」と聞いてみる。
 「うん、これから試験で勉強が忙しくなるからとか……」
 「そんなん、最初からわかってたんじゃない?」
 「だから、みんなにそのまま転送できなくて」
 円谷君も、決して責任感がないわけではないと思う。やる気だってあるだろう。ただ如何せん、彼は客観的に状況を把握する能力に著しく欠けている。演出にはトコトン向いていないのだ。まあ、芝居に関わって1年も経っていないというのに、演出をやりたいと言い出すこと自体、自分が見えていないということであるのだが。
 「ゴロちゃん(=円谷君)、文章ヘンやん」
 「知らんよ」
 「……ヘンなんよ、前にもヘンなメール送って、○○さんを怒らせたことあるし」
 それだけじゃ状況が分らない。なんだか円谷くんがイタズラメールを送ったみたいではないか。どうも言葉遣いが馴れ馴れし過ぎたとか、そんな感じらしいのだが。
 確かに円谷君は私が知る限りでもしょっちゅうトンチンカンなことをやらかしている。理由は、たいていの場合、先入観に振りまわされて早合点を起こしているのだ。だから自然、「人の話を聞いちゃいねえ」とか「言い訳ばかりしてる」と受け取られることになる。本人に悪気がない分、かえって始末に悪い。
 「じゃあ、なんで、演出させるかね、向いてないってわかるやろ」
 「本人がしたいって言ったから」
 「言えばやらせるって問題じゃないだろ。それだから、真剣に芝居しようとしてないって思われるんだよ」
 これにはしげも反論はできない。
 「で、演出はどうすんの」
 「鈴邑さんになると思うけど……」
 「引き受けてくれるんかね?」
 鈴邑君が本気で取り組んでくれるんなら、こんなありがたい話はないが、子供二人抱えて生活もタイヘンだろうに、大丈夫なんだろうか。


 またもやしげの噂話。
 女は噂話が好きだなあ、というのは古今東西を通じての真理かもしれないが、全く、「人の口に戸は立てられない」の「人」ってのは女のことだよなあ、と思っちゃうのである。
 というのも、最近、鴉丸嬢が其ノ他君からキツク叱られたそうなんだね。
 「おまえ、しげさんになんでも話し過ぎるよ」
 其ノ他君と鴉丸嬢の間にあった出来事が、逐一しげに筒抜けになっているのである。でしげがまた私にそれを筒抜けにする。だから私は鴉丸嬢と其ノ他君の「あんなことやこんなこと」も全部知っちゃってるのである。
 鴉丸嬢は当然、「これはここだけの秘密よ」と言って、しげに話をするのだが、女の「ここ」というのはたいてい「地球上」という意味なので、秘密にもなんにもなりはしない(^_^;)。
 まあ、聞いてる私は「ふ〜ん」ってなもんなんだけれど、其ノ他君も「あんなことやこんなこと」が全部私の耳に入ってると知ったら、居たたまれないだろうなあ(^o^)。
 もちろん、女同士の情報は常にインタラクティブである。
 ゆえに、私の「あんなことやこんなこと」も、全部鴉丸穣&其の他君にも筒抜けになっているのだが、私はそういうのを特に気にもしない。けれど、聞かされる其ノ他君のほうはやっぱり居たたまれないだろうと推測する。
 ……最近、この日記覗いてるか? 其ノ他君。女性ってのはそういうものなんだから、早々にあきらめちゃった方がいいよ。
 大丈夫。私はキミの秘密を他人に漏らしたりはしないから(^o^)。


 帰宅して、『ヒカ碁』を見ようと思ったが、しげが「『スライドショー』を見ると!」と駄々をこねて、仕方なく付き合わされる。
 そうとう疲れてたんだろう、全部見終わる前にそのまま落ちてしまった。
 薬もちっとも効かないし、体力増強する手段、何かないかなあ。


 マンガ、森永あい『あひるの王子さま』5巻(角川書店/あすかコミックス・420円)。
 鈴木君とゆみこちゃん別れちゃいましたね〜。
 これで麗一君にも希望が出て来たってことなんだろうけれど、まだまだヒト波瀾もフタ波瀾もありそうだから見逃せませんね〜。3歩進んで2歩下がるじゃないけど、希望が出てくると麗一くんの煩悩も開放されちゃうわけで、そうなるとブサイク好みのゆみこちゃんには嫌われてしまうことになる。
 まあ、そう簡単にハッピーエンドにはさせられないっつーか、ここまで人間関係がドロドロと錯綜しちゃうと、誰かが不幸になるしかないような感じなんだが、ちゃんとギャグマンガとしてラストまで通せるのか、森永さん!
 そしてついに! ミスターが犬から人間に戻った!
 ……でも、犬のカラダじゃなきゃ、ゆみこちゃんの側にいられないんじゃないのかな。(2003.2.20)

2002年01月29日(火) 休み過ぎだって自覚はあるのよ。一応。/DVD『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』/『西岸良平名作集 蜃気郎�供戮曚�
2001年01月29日(月) 癒し癒され恋焦がれ。/アニメ『地球防衛企業ダイ・ガード』13巻ほか



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