委員長の日記
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2004年05月09日(日) 子どもの権利条約学習会

先月から、『子どもの権利条約』について、中高生達と学習会を開いている。

日本が『子どもの権利条約』を批准して10年になるというのに、大人はもちろん、権利者である子ども達も、ほとんどその内容については知らされていない。

昨年、国連で自分達の置かれている状況などを報告した、日本の子ども達の報告書を読み合わせながら話を膨らませていた。

最後の方に、子ども達から集めたアンケートの集計結果が掲載されていたので、今日出席していた子ども達にも、それぞれ、アンケートに答えながら自分達の状況を分析してみようと言うことになった。

全部で、30問に渡るアンケートの設問の一つに

*援助交際を個人の自由でするのはいいと思いますか?

と言う設問があった。

子ども達の答えを聞いてみると、最初は全員が『良いと思う』に手を上げる。。

(え〜〜っ!ホントに?・・・)

私が驚いた顔をしていると、最近、やたらそういう話題を口にしたがる、(興味津々の)高校生の男子が

「おばちゃん!この子達は、たぶん意味がわかってないんだと思うよ。」と言う。

そういえば、今日は、彼のほかには、もう一人高校生の男子と、成人した若者がいるけど、あとは中学生の女子ばっかり・・・

「ねえ、君達、援助交際の意味分かってる?」
と尋ねると

「しらな〜い・・」

内心ほっとしながら、簡単に説明をする。。

「…で、意味が分かったら、今度はどう思った?」

「でも、、、自分の意思でするんならいいんじゃないかねぇ…」

「個人の勝手よね・・・」

「良く分からんけど…私もそう思う。」

ふぅ〜・・・そうきたか・・・

「じゃあ、自分はどうなの?やってもいいと思ってる?」

「それは思わないよ、絶対にいや!」

「気持ち悪い〜〜〜!」

「自分は大切にせんといけんよ!」

あれぇ・・・そうなの?

「自分は嫌だけど、他人は良いわけ?じゃあ、自分の大切な友達が、そういうことしようとしてたらどうするの?」

「それは。。。きっと説得して止めると思う…」

友達は止めるんだ・・・

「それって、おかしくない?自分は大切にしないといけないから、そういうことはやらないけど、自分の意思で自分を傷つけてる人は、友達なら止めるけど、他人は勝手にすればいいじゃん…って思うんだよね?」

「・・・・・・」

「それって、いじめられてる子がいても、自分に関係ない人だったら、見てても見ない振りするのと同じじゃないのかな?」

「・・・・・・・」

「…かもしれない」

「この設問にも問題があるけど…少なくとも、子どもの権利条約について、自分達の周りのたくさんの人に理解してもらおう!って思ってる君達が、そういう風に相手によって切り捨てる考え方だったら、子どもの権利条約について語る資格はないのじゃないかな?」

ちょっと厳しい言い方だったかな…って思ったけど、、、

私が怖いのは、知らず知らずの間に、大人が評価している良い子の枠に入ろうとしている彼女たちが、そうじゃないいわゆる悪い子を、自分達とは違う…と線引きをしていることだ。

結局その問題については、次回までの宿題になった・・・

イラクで劣化ウラン弾の被害に苦しむ子ども達のことを可愛そうだと感じるのと同じように、そしてあなた達が自分を大切にすることと同じように、あなたの周りにいる他の子ども達のことも大切に思って欲しいだけなんだけどな…


委員長