委員長の日記
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昨日は、久しぶりのソーランの練習。 夏休みに発表した舞台を見ていた地域の中学生が、『文化祭で自分達も踊りたい!』と言い出して、、たまたま同じクラスに、うちのメンバーが二人いたものだから、舞台を見ていない担任まで『何とかなるだろう・・』と話を進めたらしく。 先日、そのメンバーの中学生が青ざめてSOSを出してきた。 『どうしましょう!!私達でクラス全員に教えることなんてできない・・それに、短期間で踊りが出来上がるとも思えないので、反対したんだけどクラスの決議で押し切られてしまったんです・・・』 『困ったね・・・でも、私達だけの踊りじゃないから、踊るな・・と言うことはできないよね。せめて、一回でも練習に参加してくれないかな・・』 『分かりました、言い出したメンバーと担任だけでも絶対に引っ張ってきます!』
そんなやり取りがあって、昨日の練習に数人は来るかな・・って思ってたのだか。
午後からの用事が遅くなって、集合時間に30分ほど遅れて私が練習会場に行くと・・・
『待ってたんですよ!!』と、みんなが騒いでいる。 先にストレッチして体をほぐしておくように言っておいてのに、何をそんなに慌ててるんだろう・・と思って辺りを見回してみたら・・
なんと、見学に来ていた中学生の人数は11人!
こりゃあ・・君達の手に負えないって思ったんだね・・と納得。
まずは、まだ踊りを見たことの無い担任のために、とりあえずメンバーが踊って見せて、あと数週間で何とかなるかどうかを判断してもらうことにする。
『完成されたものでなくても良いんです。みんなで何かに取り組んだと言う達成感を味あわせてやりたいんです。』と担任。
しかし、メンバー達の中には、自分達の踊りをそんなに簡単にできると思われたくない!という意地がある。 この夏休み、宿題もそっちのけで、親に文句を言われても、『とにかく踊りたい!』という思いだけで、必死で頑張ってきた子ども達、踊りにも自然に熱がこもる。
初めて踊りを見た担任以上に、間近でその気迫を感じた子ども達の方が、ちょっと気後れしたらしい・・
『さあ、一緒にやってみようよ!』と声をかける私に、『無理ッスよ・・』『今日は良いです・・』と、一瞬ひるんでしまう・・
『何を言ってるの!次の練習は1ヵ月後なんだよ、君達の発表はそれまでに終わってしまうでしょ?今日、少しでも体を動かして、体で感じなきゃ、何も伝わらないよ!』半ば無理やり、引っ張り出して、ストレッチからはじめる。 もちろん担任も一緒になってやってもらう。 すでにストレッチで悲鳴を上げる子ども達を無視して、グループに分けて、メンバーの子ども達と一緒に少しずつ踊りの意味から説明しながら体を動かしていく・・
すぐに、あちこちのグループのメンバーからSOSが飛んでくる。 『助けてください!私達、人に教えることはできません・・!!』 『そうだよ、人にわかってもらうって言うのは、自分が踊る以上に大変なんだよ。でも、君達も先輩達が必死になって、伝えてくれたから今踊っているんだろう?人に何かを伝えるって言うのはそれくらい大変なことなんだよ。先輩の苦労が良く分かった?』 『はい!とてもよく分かりました・・』 『だからね、これは学びあいなんだよ。人に伝えることで、自分がいかに分かっていないか…っていうことを改めて学ぶんだよ。頑張れ!』
そんなこんなで、メンバーは必死になって子ども達に伝えようとしてくれた・・
結局、約2時間半の練習では、3番まである振り付けの1番しか伝えることはできなかった。
しかし、汗びっしょりになりながら必死で伝えようとしてくれたメンバーの気迫だけは確実に伝わったらしい。
最後に一緒に踊った後の子ども達の顔つきが、明らかに変わっていた。
『あのね、これだけは覚えておいてね、今日の練習で、決して君達が踊れるようにはならないと思うし、メンバーの踊りも本当はちっともうまいわけじゃないんだよ。でも、メンバーの踊りを見て君達が感動したとしたら、それは、彼らが必死になって自分達の気持ちを伝えようとして、心を一つにしたからだと思う。文化祭で踊る時にも、うまく踊ろうなんて思わないで、それよりも、クラスの仲間の心が一つになることを大切にして、練習してね。』
私の言葉に、子ども達は大きくうなずいてくれた・・
担任も『ビデオなどで、踊りの手順は知ることができるかもしれませんが、この気迫は決して伝わりません。今日参加した子ども達にとって、本当に良い経験をさせていただいたと思います。ありがとうございました。』と言い残して帰っていった。
う〜〜ん・・・本当に伝わったかな・・? いや、きっと伝わったよね。。 だって・・・私を含めて、メンバーは確実に普段の練習の3倍は汗をかいて、10倍は疲れて、体中ぼろぼろになったものね・・・
委員長

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