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| 2003年10月09日(木) | どんぐりワーク終了・・・次は本番だ！ |
今年度最初で最後の大型会場作品はオペラシアターこんにゃく座の『どんぐりと山猫』
この作品は、参加型で、小学生〜中学生の子ども達約30人が、どんぐりの裁判の場面でどんぐりの役で参加する。
こんにゃく座から2回指導に来てくださることになっていたが、それまでに、ある程度の形を作っておきたい…と、夏休みから練習を始めた。
どんぐり役は全部で��チーム
『とがってるのが一番！』って歌うのは小学校低学年のＡチーム
『大きいのが一番！！』って歌うのが、小学校高学年のＢチーム
そして、『せいの高いのだよ！！！』って歌うのは、中学生中心のＣチーム。
予想通り、普段から元気一杯のちびっ子たちが集まるＡチームは、練習の初めからはじけまくっていた。
歌も、大きな声で元気一杯歌ってくれるし。反対にちょっとじっとしてなさい！って言いたくなるくらいパワー全開。
それにくらべて、ちょっと大人になりかけているＢチームは、『え〜〜っ！？どんぐりぃ？やだな〜〜恥ずかしいよ！』と本当ははじけたいんだけど、自分自身を解放するのにちょっと戸惑っている・・・
とはいえ、何回か練習するうちにそれなりにパワーアップしていった。
問題は・・・Ｃチーム
中学生のほとんどは、いつものように何だかよくわからないけど、私が『手伝って！』と言ったので、きっとおもしろいだろう・・・と思って参加してくれた面々。
最初にちゃんと説明したはずなんだけどな・・・人の話はほとんど聞いていなかったらしい。とにかく私と一緒に何かをしたい・・と思ってきてみたら。。
まさか、、、自分がどんぐりになるなんて！と言う感じで、思い切り恥ずかしがってしまっていた・・・
それでも、やっぱり劇場っ子、何かを表現するのが決して嫌いなわけじゃない。
Ａチームに比べると10分の１くらいのパワーしか出せないのだが、真面目に練習に取り組んではくれた。
3回の事前ワークを終えて、いよいよ、こんにゃく座の方を迎えての最初のワークが9月25日に行われた。
来てくださったのは“鈴木あかねさん”と、ピアニストの“岩谷礼子さん”
最初は、どんな人が来るのかな・・・・とちょっぴり緊張していた子ども達だが、彼女の予想以上のパワーと、子ども達一人一人を決して否定しないで、あくまでも、キャストとして一人前に扱いながら、なおかつ楽しくワークを進めていく“魔法”にみるみるうちにどんどんテンションが上がっていく。
『私は先生じゃないからね！あかねさんって呼んでね。』という彼女の魅力に子ども達だけでなく大人たちもあっという間にとりこになってしまった。
次にあかねさんが来るまでに、今回の内容をもう一度復習しておかなきゃ…ということで、当初予定していなかったのだが、急遽、もう一回練習を増やすことになった。
1回目のあかねさんの時には結局最後までなかなか殻を破れなかったＣチームも、今度までには何とかしなきゃ・・・と思ったのか、徐々にはじけてきてくれる。
そうして、いよいよ“あかねさん”を迎えての最後の練習。
『みんな！ちゃんとキラキラの顔の練習をしてきてくれたかな？』と話しかかる彼女に『して無いよ~~！』とわざと茶々を入れる子ども達も、いざ通して動いてみると、ちゃんと一人一人キラキラ顔をしている、それどころかあれだけ恥ずかしがっていた中学生達もちゃ〜んと表情を作ってキラキラ・・！！
本番は、公演のキャストしか来ないので、あかねさんは今回で可部に来るのが最後になる。
前回、一緒に食事をしながら、私達の活動の話をしている時に『ソーラン節見たいな・・』と言われていたので、
参加している中学生と、それ以外のメンバーにも声をかけて、休憩時間に披露しよう…とひそかに計画を練る。
とはいっても、平日の夜。。キャスト以外のメンバーが何人手伝いに来てくれるかな…と不安だったのだが、4人の中高生が駆けつけてくれた。
そして、途中の休憩であかねさんを含め、その他の子ども達や保護者の前で、ソーランを披露。
『今までありがとう！』の気持ちを込めて一生懸命踊る子ども達。
踊り終わって、あかねさんに『何か感想を・・』と促すと、あかねさんの目には涙が浮かんでいた。
『こんなに迫力ある踊りだとは思わなかったよ！君達はかっこいい！！！私のわがままに付き合ってくれて本当にありがとう。これだけの踊りを踊れる君達なら絶対にどんぐりもうまくいくよ！』と本当に喜んでくれた。
その後の練習では、お兄ちゃんお姉ちゃん達の踊りに刺激を受けたのか、ちびっ子たちの動きや顔つきまで良くなった。
『可部の子ども達は、本当にレベルが高いです！公演班のメンバーにもしっかり伝えておきます。せっかく、こんなに上手に歌えるんだからこれからも継続してください。』という言葉を残して、あかねさんと礼子さんは可部を後にした。
今回のワークショップを終えて、改めて感じたことがある。
それは、全部で7つの小学校、3つの中学校から集まった年齢や性別も様々な子ども達が、あっという間にそれぞれのチームで人間関係を作り、また他のチームの子どもたちとも仲良くなって、一つの大きなチームになっていったことだ。
子ども達は群れて遊ぶことで育っていく・・・この言葉は私がこの活動に関わるようになって幾度となく語り続けてきたことだが、本当にそれを実感することができたことだ。
個性あふれる子ども達は、確かにふざけすぎて喧嘩になったり、べそをかいたりすることもあったが、それでも、必ず次の練習には元気な顔で参加してきた。
普段学校では見せないような明るい顔を見せてくれるんですよ！と喜んでくれたお母さんもいた。
子ども達にとって、また一つ居場所が増えた・・・それが今回の取り組みの最大の成果なのかもしれない。
