- 2008年09月13日(土) スノー、サンド 砂の幻と、あの乾いた国の無臭のにおいが、私の脳裏にある。 私の脳裏にあって、ふと気付けばその国へとさらっていく。 孤独であることは、砂を噛むようなことだろうか。 孤独でいたいとはもう思わないのだが、出口がわからない。 出口、出口。 だがいったいいかなる出口を私は求めているのか。 いったい私が出口を見つけるということは、 私自身が根本的に、不可逆的に変わるということであろう。 そのときあの砂の幻は、のたうつ女の体のような砂丘の幻は、 わたしにとって決定的でも致命的でもなくなるのだろう。 それを思えば、孤独といういささか苦渋に満ちた空間を この先ずっと、ぼんやりと、歩きぬけてもいいように思う。 そうしているうち、わたしはこの砂の幻にうずもれ、 吹雪の中に眠りこんだようになって、やがて跡かたもなくなる。 跡かたもなくなって、砂とも雪ともつかないものになる。 -
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