終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2007年11月30日(金)

またこの日がめぐってきた

 宇都宮を離れても、この日を忘れることはない。
 12月1日。今市で小学校1年生だったこどもが下校途中にさらわれ、殺された日だ。犯人はまだ捕まっていない。
 まだ捕まっていないのだ。このことを思うつど、わたしははらわたが煮えくれいかえる思いに駆られる。あの小さな子供を殺し、何十度となく刃で刺して、あの冷たい森に捨てた犯人がまだ大手を振って生き延びている。
 毎年、この日になると私の時計はあの日に戻る。こうした悪は、消し去らない限りそうした作用を持つのだ。そして消し去りうるものはない。逮捕されようが死刑になろうがまた、かれが死のうが、消えるものではない。
 一枚の紙の焼けあとのようにぬぐい去りえない苦痛だ。何度、目を閉じてその航跡を追ったことだろう。だがたどりつかない。
 いまおまえはどこにいるのだ。その手に沁みついた血を忘れたか。たとえおまえが忘れても、ほかの誰も忘れはしない。


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