終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2007年06月12日(火)

遊び回り@覚え書き

というわけで、座禅を組みに福井県は大本山永平寺まで行ってきた。
以下、記録。

10日早朝5時半に下宿を出て、羽田へ。
7時半の飛行機で石川県小松空港へ。空港からバスで福井駅へ10時着。
福井駅からえちぜん鉄道に乗車。寺入りまで時間があるので勝山駅へ。
勝山駅からコミュニティバスで恐竜博物館へ。11時半ごろ着く。

福井県立恐竜博物館(500円)
日本における恐竜化石の主たる出土地の面目躍如。
斬新な卵形のドームには骨格標本の群れ。骨の巨竜たちの間を歩く幸福。
こんなに巨大なものたちがこの大地をふるわせて走り抜けていたのかと
しばし茫漠とした過去に思いをはせる。展示はなかなかよくできていて
骨格標本が種別ごとに並べてあるほか、バーチャルリアリティ、
そして動く模型と盛りだくさん。この模型がまたいい動きなんだ。
モノがいいせいか客も多い。子供なんか模型見てびびって泣いてたぜ。


午後1時のバスで駅へとってかえし、再び電車に乗る。
永平寺口から路線バスで永平寺前へ。2時過ぎにつく。
門前はまあ、門前町で、名物のごま豆腐や越前おろしそば、
それからこれはなかなかうまかったのだが「けんけら」なる大豆菓子。
そのへんはスルーして寺へ。


大本山永平寺

門を入ったところの総受け所(受付か)で
予約票代わりの葉書を示し、宿泊・食事代込みの8000円を支払う。
と、黒衣の雲水が3階の部屋へ案内してくれる。いや雲水だよ。坊主だよ。

青々した坊主頭を眺めつつ導かれる3階、20畳ばかりの大部屋。
おい、あたし一人だよ。まあいいや、真ん中に陣取る。
部屋に入って少し待つと別の雲水がやってきて、滞留の間の簡単な
お作法を教えてくれる。まとめるとこういうことだ。
1,東司(とうす、トイレ)、浴司(よくす、ふろば)、
  僧堂(雲水たちの修行場、宿泊客は入れない)の三カ所は私語厳禁。
2,挨拶のときは合掌、部屋を出て歩くときは拱手、座禅のときは定法。
3時半からフロ、5時半食事、7時から座禅と言い残し、雲水去る。

山内を見ようと思ったがここにきて寝不足がどっと出る。
果たして起こされるまで撃沈。起きてフロに入ってまた寝る。
ほとほとと戸を叩かれて起きると雲水が赤い膳を下げて部屋に来る。
精進料理。ごま豆腐が美味。食うと眠くなって再び寝る。

再度ほとほとと起こされて、今度は座禅へ。
来客用「吉祥閣」5階の禅堂は、僧堂と同じ作りとのこと。
丸い座布団こと「座布」の上に趺坐して約30分、壁を見る。
目を閉じたらいかんというので、壁をひたすら見る。
なんだこれはと思わないでもないが、まあしょうがない。
後ろでは棒持った坊主がうろうろしている。どうしたものか。
などと考えているうちに終わってしまった。部屋に帰って考える。
考えるうちに眠くなる。午後9時、寝る。

11日午前3時、起床。6月とはいえまだ真っ暗。
3時半から座禅。坊主はこの時間に起きるらしい。
壁を見ながら山内を駆け抜けていく振鈴の音を聞く。
壁をひたすら見る。薄暗いなかで見えているのか見えていないのか。
いったい何を考えればいいのか。それとも考えることをやめればいいのか。
ふと思い出したのは養老氏の言葉だ。「ひとは自らの脳内に住む」
なるほどここで見えるのは壁と、それを別にすれば私の中身だけだ。
では私の中身とは何なのか、仏性など薬にしたくもない。
どうやらここは砂漠のようだ。光はおぼろで月影のようだ。
転がっているのは私の思考の断片で、それは倒れた古い石の柱のようだ。
なるほど私の内部とはこのような場所だったか、と妄念する。

するうちに座禅は終わって今度は山内を横切り、
法堂での朝のお勤めに参加する。参加といったって見てるだけだが。
永平寺で修行しているという250人近い雲水の半分くらいだろうか。
それでも読経しつつ内陣を巡る行堂は圧巻。墨染めの衣の美しさ。
そして動作のひとつひとつの力強さ。合掌というのは全身でするものだ。
両手をあわせる。肘は肩の高さ。頭を下げる。尻を突き出すような動きだ。
動きの俊敏さと力強さ。墨染めの裾と袖が舞う。見ほれる。

その後は雲水に案内されて七堂伽藍をめぐり、部屋へ。
朝食を頂く。夕食は撮り損ねたが朝食は撮った。



見た目より量もあり、それなりにうまい。
味付けはやや塩辛かったが、山奥という立地を考えれば当然だろう。
朝食後は少しうたたねしてから今度は一人で山内をめぐる。


山門より庫院を臨む。


回廊。永平寺の美は多く回廊に存する。


道元禅師廟所「承陽殿」門扉の紋章。


僧堂前。雲水を撮ってはいけないのだが偶然写っていた。

いささか特異な作りと作法のため全容はとても伝えられない。
800年の寺である。山門の納得いく写真がなかったのが極めて残念。

午前10時40分の福井駅行きのバスで永平寺を辞する。
続きは明日の項へ。


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