終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2007年05月22日(火)

覚え書き@遊び回り

・美術展
「レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像」(1300円)
東京国立博物館にて

なんのことはない展示品としては「受胎告知」だけだ。
しかし天才性を多面的に分析し、その分析そのものを展示するという
そういうあまりない種類の展覧会だったので良かった。

そして(でも?)引っかかったのは「受胎告知」だ。
聖母ではない。大天使ガブリエルの表情だ。
分析展のほうで表情というものを作者がきわめて重視し、
そこに人間性そのものを表現しきっているということだったので、
ふと気になった。

かれが聖母を見る眼差しは厳しく、その目は鋭かった。
天使はどのような思いのもとに神の子の降誕をその母に告げただろう。
天使の非人間性だったろうか、そこにあったのは?
それともある種の厳しい同情とでもいったものだったか?
聖母の崇高な従順さというもの、毅然とした従容というものが
ある程度わかりやすかったのに比べて、天使の思いは汲みがたかった。

神の意志を知り、母子の運命と使命を知る、「天使」。
どのような思いならばあの場にふさわしいと天才は思ったのか。
もう少し考えてみよう。

月岡芳年の「28衆句」、法隆寺宝物展も併せてみる。
日本人が仏像に与えた顔は日本人の顔だったが。


・東大
本郷通りの正門から赤門へ抜ける。
レヒネルのジプシー王的世界観があった。
あ、安田講堂も見ました。そして公開講座の一覧をゲット。


・後楽園(300円)
ようやく行った、ご近所の後楽園。
一時間ほどかけて回遊する。
密な樹木ととよむ池の水、睡蓮とあやめ。
カメラ持っていこう。


・映画「パラダイス・ナウ」(1800円)
アサド監督。渋谷・ユーロスペースにて。

普通の青年が自爆テロ犯になるまで。
「かれらが被害者と加害者を同時に演じるなら、
 俺たちもなるしかない、殺人者に」
普通の青年ことサイードがスーツに着替えさせられ、頭を刈られ、
画面の前で信仰告白をする様に「仕立てられる」仕組みを感じ、
だがもっとも衝撃を受けたのはこの言葉だ。
かれらは自分のすることをわかっている。
殺す相手、巻き込む相手が家族を持ち未来と夢を持つ人間とわかっている。
そういう人間を殺すのだということを十分に認識したうえで殺している。
殺すことを選択している。これは恐ろしいことだ。

これだけは予測していなかった。
邪悪は多く無知と想像力の欠如に属するからだ。
そしてまたあの眼差し。
「世界は遠巻きに見ているだけだ」
ラストシーンの瞬間に、まさにその瞬間に、
「太陽の男たち」のあと、あの恐るべき問いかけのさらにあと、
返答がけして返らないと知った絶望を聞いたような気がした。


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