終わらざる日々...太郎飴

 

 

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- 2007年05月18日(金)

先日、ハンガリーに行ってきた。
旅行記に関してはまだ途中なのだが、
ほっとくといつまでも書かないので、ここに書き留めていく。

5月2日
 早朝、本郷の下宿を出て成田へ向かう。
 午後1時の便で、ミラノ・マルペンサ空港へ。隣席に韓国人のおばさん(団体の一部か)座る。ちょいとかしましいが割にいい人たち。飴をもらったから言うわけではないが。
 西回りの行程のため、ほとんどずっと昼。異様に引き延ばされた日中というのは奇妙なもので、非日常に旅立つにはふさわしいものだと思う。なおアリタリア航空だったのだが、スチュワーデスが呼んでも来ない。行ってみると後ろの方に飲み物コーナーがあって勝手に取れということらしい。一昔前に比べて機内サービスも簡素になったものだと思う。
 夕方、ミラノに着く。空が真っ黒で心配していたら案の定、ブダペスト行きの便は遅れに遅れ、ようやくブダペストに着いた頃には日付が変わっていた。出口で現地在住の親戚と合流。長いこと待たせたようで申し訳ない。
 車で親戚のアパートへ。アパート周辺の通りが路上駐車の列で埋まっているので驚く。親戚によるとパーキングチケット式で合法らしい。親戚手製のうどんを頂いて寝る。

5月3日
早朝に目が覚めたのでアパート周辺を歩く。ここで説明しておくと、ブダペストの町は、ドナウ川にまっぷたつに区切られて、西側がブダ、東側がペストと呼ばれている。ブダ側は山がちで、ドナウ沿いの岩壁には王宮、その北側に城塞がある。一方、ペストは平らで、ブダ側より遅れて発展してきたという。ブダとペストとの間には鎖橋として知られる優美な橋がかかり、夜景の美しさで知られる。 親戚のアパートはペスト側の、ハンガリー初代王の名にちなむイシュトバーン大聖堂にほど近い古い町並みにあった。
歩いてみると、町は路上駐車を除けば半ば廃墟のようだ。壁のように6階建て程度の建物が並んでいるのだが、外壁は汚れて落書きだらけ。1階部分の窓ガラスが割れていたり、分厚く埃をかぶっているものも珍しくない。しかしその一方で、エントランスや上階の窓はというと人の気配がある。また街路樹も青々として傷一つ無い。路面電車、トロリーバス、バスが走り、歩行者も右例だ。妙な気がした。
もどって昼食。ご飯とサラダ、みそ汁と納豆ともずく。出かける相談をし、世界遺産にも登録されているパンノンハルマ修道院に行くことにする。
ブダペストから高速道路で200キロほど離れたジュールへ、それから20キロほど南下して修道院へ。高速道路は良く整備されていて、それはいいのだがどの車も時速130〜150キロは出している。親戚曰く「交通事故は少ないがあると大きい」。ごもっとも。
 車中で目についたのは菜の花畑と麦畑。ハンガリーは平原の国だ。どこまでも平らな地形は「のたりのたり」という形容がふさわしい。森も畑も前触れなく唐突にそこにある。日本におけるような天然の境界にはよらない。
 高速をおりてからはほとんど信じがたいほど美しいいなかの村と町。家々は愛らしく、赤い屋根を持ち、うすい黄色や桃色に塗られ、しかも時はまさに春。ライラックが咲き、せりが白菊が野にあふれている。親戚は笑う。「これまでずっと厳しい冬に耐えてきたんだ。今が一番美しい季節だよ」。

 修道院は小高い丘の上にあった。ベネディクト修道会の総本山として966年に創設され、今なお修道僧と学生たちが住む。バロックイエローの柔らかな色彩とシンプルな外装。トチノキに似た広葉樹が茂り、マメ科の白い花が咲き、石畳が広がる。窓からローティーンの男子生徒が手を振る。振り返す。笑い声が上がる。
 案内されて聖堂内部を見る。思ったより狭い。狭いが細工は天井、柱とも見事。内陣の奥にモスクの壁竈(ミフラーブ)に似た窪みがあったので聞くと、王侯が訪れたさいに座るための椅子という。イシュトバーンの縁戚、ハプスブルグ王家の人々も来たのだろうか。
 真っ白く塗られた回廊、壮麗な図書館を経て帰途につく。丘の上の修道院で鐘が鳴る。

 帰り際、ジュールに足を止めて食事。グヤーシュ(野菜と牛肉のスープ)とブダペスト風のステーキをいただく。グヤーシュは鍋で来る。量が多い。多すぎる。ステーキにはフォアグラとパプリカとグリーンピースのソースがかかっている。またも多い。多すぎる。
 驚いたのはパンがまずいこと。もそもそしてレストランの出すものと思えない。しかし聞くと「東欧のパンは安いがまずいがあたりまえ」ということ。
 食後に町の聖堂をのぞく。ロココ風にきらびやか。上からパイプオルガンの音色が降ってくる。練習中らしい。なるほど、物理的に上の方に属する音楽としてすり込まれるのだ。

 帰途、郊外のスーパーに寄る。びびる。でかい。広い。肉のコーナー50�叩⇒颪離魁璽福治横悪辰箸い辰芯柑劼如▲�ゴには子供が数人は入りそう。陳列の店員も大変そう。品物が崩れたら近くの人は埋まりそう。パンや野菜はセルフ計量でラベル添付式なのだが、中にはレジまでに腹のほうに入れてしまう人もあるという。納得する。

 5月のヨーロッパの昼は長い。カラフトと同じ位置というからさもあらん。午前中は涼しいが午後3〜4時ごろに暑さのピークがくる。上着を着ているのが辛いほどだ。7時を過ぎてようやく夕暮れが始まり、8時を過ぎても明るい。
 大渋滞につかまりつつ、ブダペストへ戻り、一休みしてジプシー音楽をやるレストランへ。バイオリン3丁とトロンボーン、そしてピアノの原型ともいうべきツィンボロン。これはピアノ線をそのまま叩く楽器と思ってもらえばいい。音楽は哀愁を帯びて美しい。
 酒はもちろん、ハンガリー名産で世界三大貴腐ワインのひとつ、トカイワイン。甘く黄金色を帯びた美しい酒。ついでオックスブラッド。いずれも美味。



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