- 2007年03月04日(日) 「パフューム ある人殺しの物語」 監督:トム・ティクヴァ 出演:ベン・ウィショー(ジャン=バティスト・グルヌイユ) 近くもない映画館まで歩いていったのは私です。 病み上がりだってのに…花粉症だってのに…。 それで、期待してなかったのに内容はすばらしかった。 人に立ち混じって生きていくうえである種の欠落を抱えた人間、という それだけできわめて魅惑的な主題のうえに、「香りを魅せる」という難題。 実を言うと、この難問に対する回答を見たくて行ってきた。 回答は、照明をうまく使ってのクローズアップとズームアップ、 それから嗅覚の認知経路をイメージ化したような粘るようなカメラワーク、 極上の音楽と、あとは、ほんの少ーしだけのSFX(笑)。 嗅覚といういわく転換不可能なものを視角としてよく提示したと思う。 ちょっと生理的に気持ち悪いとこはあったが、まあそれはそれ。慣れてる。 それからジャン=バティストの人物像が実に面白い。 やせた男が右肩下がりにぼさっと立つ姿が独特の存在感をかもしだす。 幾つかの例外を除いてこの男は無口だ。 その無口さが、まず嗅覚の思考経路に生きる人間の不気味さと魅力、 そしてきわまってやるせないまでの欠落を感じさせる。 この欠落、そこに存在する獰猛なまでの渇きがそのまま映画の魅力だ。 ストーリイとそこに不随する謎と不満はこのさい言わない。 これは嗅覚についての物語なのだし、そこでは論理より直感が支配する。 語り手のじつに洒落た語り口もまたそうした部分をカバーして、 一種の寓話でも見た気にさせるいい効果を出している。 まああれだ、なんでフランスなのにみんな英語やねんという、 そーいうツッコミはいくらでも入れられるんだが。 ベン・ウィショーは、将来が楽しみだ。 欲をいえば、もうちょっと香水についてのうんちくが欲しかったなー…。 って、リシはスネイプ教授(アラン・リックマン)かよ! ジュゼッペ・バルディーニはダスティン・ホフマンかよ! じ、地味にゴイスーなキャストだったんだな…。 -
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