- 2006年10月15日(日) 十塚の家だが、これはずいぶん昔から私の胸にある。 かれら「運命を識り、それが変ええないと識り、かつ幸福である」 この一族を主眼に据えて物語を書きたいものだと思っている。 しかしながら、こういう人々を書くにあたっては、「外からきた人」の 視点をもって語らざるをえないことは明らかだし、それは面白くない。 かといってかれらをまさに内側から書くとなると(うーむ) 戦時中、ということになるんだろうな。 どーみても悲劇。 それで思い出した。 うちの父方の祖先は、山梨県都留市に住んでいた。 それはもう、営々として数百年ものあいだ。 かれらは平家の落ち武者だと自分たちの出自を伝えている。 わたしはもう十年もそこには行っていないが、今度の休みに出かけよう。 そして見たい。私の血肉が育まれ、長の年月にわたって生きた地を。 思うに、あらゆる悪は地を離れることから始まる。 私は根を切り落とされた花のようなものだが、 それでも私の思いはあの山肌に張り付いた村にある。 あの山々は、私の精神の器に先立つ精霊が駆けた場所だ。 -
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