終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2006年09月10日(日)



真実を申し述べると宣誓いたします。
森の奥には魔王の城がありました。
ええ、水源の深い小暗い恐ろしい森のただ中です。
魔王の領土は夜と霧であって、かれの御幸は夕暮れに城を発ちます。
その陣容は町と田園と山々を包み、しかもあまりに数が多いため、
最後の隊列はいつも城を出ることさえできないありさまでした。
魔王とその軍勢がかれらの時刻になにをしているのかは知りません。
いずれにせよ、かれらはいつも夜明け前に戻ってきました。
かれらは天使の軍勢と夜通し戦ったように一人残らず疲れ果てており、
城にたどり着くなり倒れて眠りにつきます。
昼間の時刻、かれらが目を覚ますことはけっしてありません。
しかし夕暮れとともに目覚めるや勇気と力に満ちて躍り上がり、
疲れた様子など少しもなしに、整然と隊伍を組んで出発するのです。
なんですか? 魔王もそうなのかとおっしゃる?
もちろんそうです。かれらは一様にそのようにいたします。
実のところ、私に魔王と兵士たちが見分けられたことはありませんでした。
かれらはみんな、まったくなにもかも同じ様子をしていました。
ええそうです、顔も甲冑も、もっと些末な一切も一人残らず同じなのです。
私が申し上げることは以上です。良心に従って真実を申し上げました。
しかし実のところ、こうしたことについて真実が意味を持ちうるのかどうか
私はじつにまったくたいへん疑問に思っております。


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