終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2006年06月19日(月)

来たれ戦よ、荒々しき騎兵丘に氾濫す
来たれ戦よ、平原は長槍の密林に覆わる

進め戦士よ、汝が利剣を敵の頭上にふりかざせ
きょうの日、血に赤き外衣を着るものこそ勇者の名にて呼ばれん
バクルよ、フィラースよ、スライと“赤”のムダールよ、バニ・キラブよ
ウマルとウスマーンよ、エル=ファズルとガズニ、またアジィズよ
殺せ、殺して生きよ、ジムマーンの末裔よ

進め、合戦を熱せしめよ、激せしめよ
臆するなかれ、われらの上にマディーナの黒き旗あり、
われらが上に黒き旗ありて、燃ゆるごとひるがえる!


 マディーナの若い王は顔を上げた。天幕の外に歌われる戦歌はすでに耳慣れた。鼓の4打という速い音と鋭く畳み掛けるような詞が騎士たちの心をとらえ、初めて歌われるやすぐさま野火のように広がって、瞬く間にすべての陣屋で歌われるようになった。
 黒い旗のもとに集ってきた支族のほとんどは、最初はあからさまに警戒し反目しあって心ひとつであったとはいいがたかった。しかし、それも無理からぬことではあったのだ。通常なら、かれらは支族ごとに広大な荒野に散り、ときには水をめぐって争いさえする間柄で、マディーナと大ジムマーンのことは遠い伝説と欠くべからざる義務として名のみ知られていたにすぎなかったのだ。
 だが不思議なもので、この歌が広まるにつれ、支族をこえた交流が始まった。よそよそしかった挨拶が心のこもった握手に変わり、ひとつの天幕にすべての支族の若者が集まることさえあった。一つの歌によって、疎遠となっていた親戚が血のつながりと連帯を思い出したのだと、マディーナの王ジブリールは詩歌の持つ力の強さに思い至って感嘆したものだ。
「報告を聞こう」
 ジブリールに促された重臣はうなずいた。その告げるところはかくのごとし。

 北の国境よりマディーナにつづく「隊商の道」に沿って移動し来たり、首飾りのように連なる水場を次々と奪いつつ南へと進みつつあった帝国の先遣隊は、









かーきーかーけー。だめだ、なんか楽しい。楽しすぎる。


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