- 2006年06月07日(水) マディーナの黒い旗のもとで開かれた会合において、発言を求められたマーリドは立ち上がり、盟主たちの前でただ一言だけ言った。 「死なんがため来た」 居並ぶ貴顕は声もなく静まりかえった。誰もがその言葉を聞き、率直さに胸を突かれ、同時に一人として答えるべき言葉を持たなかったのだ。長い沈黙の後に会議が再会したときでさえ、天幕の奥底には短い言葉の余韻が響き続けていることを誰もが理解していた。マーリドは静かに末席近くに連なり、ただ語る人々の言葉に耳を澄ませるばかりであったが。 死ぬかと思った。むしろ死にたかった(↓) -
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