終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2006年05月25日(木)

『かれは大海であった。
 うねる波を高く押し上げては神居ます天を求めて吠え荒び、
 凪の日には憧れをたたえつつ祈りに似て安らぐ海であった。
 その激情は人々をして恐れさせ、飲み込み、天を暗くした。
 だがその悲しみを思い、乞い願う胸の苦しみを思えば、
 誰が魂を揺さぶられ、涙流さずににいられただろう。
 かれは孤独な、うねる荒海であった。誰にかれが救えただろう』

 ククールは筆をおき、涙にかすむ目をぬぐった。すべてを過去形として書かねばならない悲しみが鋭く胸を突いたからだ。


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